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県人と母県、日伯つなぐ拠り所に=千葉県人会=念願の新会館竣工式典=森田知事「交流深めたい」

ニッケイ新聞 2010年5月5日付け

 聖市ジャバクアラ区の千葉県人会新会館で2日午前10時半から、森田健作県知事ら母県慶祝団を迎え盛大に竣工式典が開催された。会員はじめ各県人会・日系団体代表ら約200人が出席。先頭に立って建設事業を推進してきた原島義弘県人会長は、「この会館を地域社会の発展、日本文化の啓蒙、県との交流の拠点として、県出身移民と子弟の心の拠り所として活用していきたい」と力強く語った。

 地上3階地下1階の同会館は約10年前に建設構想がはじまり、堂本暁子前知事の時代には母県でも募金活動が行なわれた。同知事が出席した07年8月の県人会50周年式典で起工宣言を経て昨年4月に完成した。
 式典にあたり、母県からは森田知事、酒井茂英県議会議長と県議会ブラジル友好議員連盟(河上茂会長)の大松重和、鶴岡宏祥両県議、藤代孝七・市長会長(船橋市長)、相川勝重・町村会長(芝山町長)など14人の慶祝団が来伯。ブラジル側からは小林雅彦在聖首席領事、文協、県連、援協、県人会代表のほか、千葉県茂原市に校舎があった東京農業大学関係者も多数訪れた。
 先亡者への黙祷後あいさつした原島会長は、米国発の金融危機により難航した会館建設を「嵐の中に飲み込まれた小船のごとく翻弄され」と振り返り、あらためて県庁、県民、会員ら協力者へ感謝の言葉を述べた。
 森田知事は、「皆さんが千葉を愛する心を大事にして、ブラジルと千葉県の交流をいっそう深めて行きたい。この会館が県人の活動拠点、県とブラジルの交流拠点として、竣工を機に交流が盛んになるようがんばっていきましょう」と呼びかけた。さらに、先日婦人会員が話した「私たちが頑張ってこれたのは日本の教育のおかげ」という言葉に「感動と同時に熱い思いが胸にこみ上げた」と振り返り、教育熱心だった自身の母親のことなども紹介。「618万県民を代表して敬意と感謝を表したい」と述べた。
 酒井議長も「この会館を拠点として、ブラジルと日本、千葉の交流の架け橋として尽力してほしい」とあいさつ。市長会長、町村会長のあいさつに続き、27年続く友好議連の河上会長の祝辞も代読された。
 知事と原島会長の間でそれぞれ記念品を贈呈、続いて知事から県人会婦人部の会員17人に感謝状と記念品が贈られた。知事から日系3団体への寄付金贈呈も行なわれた。
 日本舞踊里見流家元NPOミューズ安房の里見香華理事長による「祝賀の舞い」が披露された後、高梨一男元会長の発声で万歳三唱。来賓による鏡割りを行ない、昼食を囲み出席者は歓談した。
 昼食時は婦人会による団舞、郷土の踊りも披露され、中でも坂本九の「明日がある」にあわせた踊りでは森田知事も輪に加わって踊り、会場は盛り上がった。
 ニッケイ新聞の取材に対し森田知事は「県民を代表して喜び、誇りに思っている」と述べ、新会館を「日本とブラジル、県人の交流の場として広げたい」と話した。
 知事から感謝状を受けた立花操婦人部長。5歳で家族と移住した立花さんは、「そんなに色々なことをしたわけではありませんが、2人の子供も県に留学させてもらい、お礼に県人会でできるだけのことをさせてもらっています」と話す。
 東京農大拓殖学科の茂原校舎で4年間学んだ石川準二さん(75、元農大会会長)は「世話になったところ。いい学生時代を過ごさせてもらった」と振り返り、「良かった」と竣工式の感想を語った。
 十年越しの悲願を実現した新会館。高梨一男元会長(87)は「おめでたいの一言に尽きる」と喜び、「これだけの会館を生かしていくためにはそれなりの努力が必要。これからがんばらないと」と話していた。

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