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違法な森林伐採発覚=政府関係者ら60人逮捕=被害額は10億レアル

ニッケイ新聞 2010年5月25日付け

 マット・グロッソ州で2年間に渡り政府関係者らが不正に便宜を図って森林伐採を許可していたことが発覚。連邦警察が21日、一連の不正行為に関わったと見られる容疑者のうち60人を逮捕した。22日付伯字紙で報じられた。
 警察の調べによれば、同州では、州環境局作成の違法な許可書を用いて森林伐採を正当化し、州内の公共地や約100のインディオ保護区ならびに20の環境保護区で大規模な森林伐採を行っていたことが明らかとなった。
 州環境局で作成した偽りの耕地面積見積もり書には、森林伐採で切り開いた土地にいまだに緑が残っているかのように見せかけるために、昔の写真や他の耕地の写真を添付していたとされる。
 280耕地に対して立ち入り調査が行われた結果、68件に違法行為が認められた。こういった不正行為は2年間に渡り続けられていたとされ、その被害総額は約10億レアル、被害面積は1700万立方メートルにも及ぶと推測される。
 今回逮捕された容疑者の中には元環境局長のルイス・エンリケ・ダルデガン氏やウビタン・スピネリ元州議員とその息子、ジョゼ・ジェラルド・リヴァ州議会議長の妻、シウヴァウ・バルボーザ州知事の秘書室長らが含まれた。
 同一件を仕切っていたとされる元環境局長補佐官のアフラニオ・ミグリアリ氏には、4億380万レアルもの疑惑の資産があることも取り沙汰されており、逮捕後に資産差し押さえを受けた容疑者55人の総資産額には17億レアルという巨額な数字があがった。
 すでに逮捕された60人のほかにも一連の不正行為に関わったとされる農家、農業技術師、木材商など、容疑は多業種に広がっており、逮捕状が出ているのは現在のところ計91人。その分布地域はマット・グロッソ、サンパウロ、パラナ、リオ・グランデ・ド・スル、エスピリト・サントの5州に渡っている。
 連邦警察によれば、容疑者の総数は現時点では未確定で、その数は今後さらに増える可能性がある。
 国立宇宙調査研究院(Inpe)のデータによれば、ルイス氏が環境局長を務めていた2007年後半のマット・グロッソ州での森林伐採は、法定アマゾン内で最多との観測も出ていた。

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