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■訃報■大野一雄氏

ニッケイ新聞 2010年6月3日付け

 国際的な舞踏家として活躍した大野一雄氏(おおの・かずお)が1日午後4時38分、呼吸不全のため横浜市保土ケ谷区の病院で死去した。103歳。葬儀は近親者のみで行い、後日お別れの会を開く。喪主は次男慶人(よしと)氏。
 北海道函館市出身。暗黒舞踏の土方巽氏と共演を重ね、日本独自の「舞踏」と呼ばれるスタイルを確立。白塗りの化粧と緩やかな動きの中に人間の内面を表現した。77年に「ラ・アルヘンチーナ頌」を発表して絶賛を浴びた。多くの海外公演を行い、「BUTOH」の第一人者として世界的人気を集めた。
 92年、97年にブラジルを訪れ、サンパウロ州、パラナなど各地で公演。振り付け家の故楠野隆夫氏によってブラジルへ導入された舞踏はブラジルの舞台芸術にも影響を与え、大野さんは大きく知られた存在だった。

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