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新潟県人会=母県からTV新聞一緒に=出身者の活躍や想い取材=フェイジョアーダ祭りに70人=「スケール大きい」

ニッケイ新聞 2010年6月8日付け

 母県を代表する2大メディアの記者が初めて一緒に来伯し、新潟県人の活躍ぶり、故郷への思いなどを熱心に取材している。新潟県は世界に、ロンドン、北京、ホノルルなど19県人会を持つが、ブラジルが最多会員数(350家族)を誇る。6日にサンパウロ市の県人会館で催されたフェイジョアーダ祭りには70人が集まり、時差ボケをモノともせずに母県の記者二人は次から次へとインタビューをこなし、県人会員らは顔を輝かせ、嬉しそうに質問に答えていた。

 東京新潟県人会が今年100周年を迎えることを記念し、9月に母県で大イベントが予定されており、地元メディアもこぞって盛り上げに協力している。
 2日に来伯したばかりの新潟日報社報道部の笠原武史記者(たけし、34、新潟)と新潟放送の坂井悠紀記者(ゆうき、27、新潟)は連日、アチバイアやサントアマーロなどを飛び回って取材している。6日のフェイジョアーダ祭りでも、二人は集まった会員に真剣な表情で質問を繰り返していた。
 当日は、午前11時から柿嶋昭三会長が挨拶に立ち、「来年、当県人会は55周年を迎える。若い世代にバトンタッチして、百周年目指してがんばってほしい」と呼びかけ、「9月に母県で行われる大交流祭にはぜひ代表団を送り込みたい」との抱負を語った。
 続いて会長が二人を紹介すると、笠原記者は「故郷への想い、新潟のみなさんに届けたい」と大きな声で語った。原沢和夫相談役が「お二人の取材がうまくいきますように」と乾杯の音頭を取り、県民歌を全員で合唱し、南雲良治顧問が前日から仕込み、当日は早朝4時から調理したフェイジョアーダに舌鼓みを打った。
 会員の鈴木年栄さん(としえい、70、新潟)=アチバイア在住=も妻・しずえさん(69、広島)と参加し、「やっぱりたまにのっぺ汁が食べたくなる。故郷のことは死ぬまで忘れないよね」というと、向かいに座った駒形秀雄さん(76、新潟)は、鈴木さんが35年間も観葉植物栽培一筋にやってきたことを称え、「新潟の人は粘り腰。一つのことを続けて成功させる」としみじみコメントした。
 9年前になくなった夫・定夫さんが新潟出身だった太田美代子さん(87、熊本)も「みなさんと会うのが楽しみで。長生きするには人と楽しく話すのが一番」と欠かさず県人会の催しに顔をだしているという。
 テレビカメラを片手に動き回る坂井記者に感想を求めると、開口一番「スケールが大きい。新潟に住んでいる自分より、故郷への想いが強い」と驚いている様子。前回取材したニューヨーク県人会が20代中心だったのと比較すると当地は高齢者が多いとし、「ぜひ二世、三世につなげていって欲しい」との期待をのべた。

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