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ニッケイ新聞 2010年6月12日付け

 春の叙勲を受章した西谷博さん。カルモ桜イペー植樹委員長を務め、30年以上、今ではサンパウロ市最大の桜名所となったカルモ公園桜園の成長を見つめてきた。10日の伝達式で桜への思いを聞くと、「公の場で皆が集まる。綺麗な桜を見て楽しむ。その心は100年後も残るだろう」と語った。日本人の何かを形として残す事が大切だという。そして今でもその思いは変らず、今年中には日ポ両語での本の出版も予定しているそうだ。90歳の今も、まだまだ情熱は衰えていないよう。
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 サントアンドレーといえば、姉妹都市の名を冠した日本公園「高崎公園」と、園内にある、親子で首相を務めた福田 赳夫、福田康夫両氏揮毫による記念碑が有名だ。同公園を造成する際に運んだ土はトラック300台分。「皆仕事を投げて協力していました」と振り返る保坂栄千雄さんは「今でも元旦には高崎公園で新年を祝っている」と力を込める。以前は連合会だけで移民の日を祝っていたが、94年、ミツザワ・セイキ陸軍大尉とマルシオ・ペレイラ市議(当時)の尽力で市議会式典が制定。現在は、夫人が日系2世のパウリーニョ・セーラ市議に引き継がれ、毎年続けられている。
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 老ク連機関誌『ブラジル老荘の友』6月号では、急死した小畑博昭元援協事務局長への追悼文で1頁が埋められている。思えば今年35周年を迎える同連合会創立時の立役者の一人であり、原沢和夫さん(後の援協会長)らと共に尽力した。創立時の役員は、各地に老人クラブを設立してもらうようアマゾンまで行脚した。今号は437号で、計算してみると36年と5カ月続いており、連合会より古い。事務局に尋ねると、援協の一組織だった時代に創刊したからだという。コロニア最古の機関誌の一つといえそうだ。

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