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サンゴンサーロ=在日ブラジル人の平安も祈願=しめかやかに記念ミサ

ニッケイ新聞 2010年6月19日付け

 102周年目の日本移民の日を迎えた18日午前、日伯司牧協会(青木勲会長)の記念ミサが日本移民に縁の深いサンパウロ市のサンゴンサーロ教会で今年もしめやかに行われた。フレイ・アレシオ神父を司式司祭に、尾崎アンドレ神父、長山アウグスチーノ神父の3人がミサを取り仕切り、120人ほどが集まって先人の苦労をしのび、日系社会の繁栄を祈った。
 共同祈願では日系社会を代表して木多喜八郎文協会長、上原幸啓百周年協会理事長、松尾治同執行委員長、清水オリジオ文協理事ら8人が日ポ語両語で祈りを捧げた。
 ブラジル側に関しては、「移民先駆者のご冥福を心から祈り、我々後継者および子孫らが、日本文化の遺産を尊重し維持しながら、ブラジル社会に貢献して行きます様に祈りましょう」、在日ブラジル人に対しても「どうぞ(日本)社会の人々から温かい精神的、物的支援がえられますように」とのメッセージだった。
 宮崎カリタス修道会の修道女らが賛美歌をリードし、「奉納の歌」「アーメン・ハレルヤ」などを合唱し、聖体拝領が行われた。ドイツ系子孫で日本に赴任した経験もあるアレシオ司式司祭は、日伯両語をみごとに使い分け、最後に「102周年を迎えた日系社会からもっと闇が減り、光が増しますように」とのべ、閉祭となった。
 合唱に加わったソニア・コーラスの畔柳道子さん(82、愛媛)は「未来永劫このミサが続くよう祈っています」、串間いつえさん(64、宮崎)は「先亡者のために祈りました。アレシオ神父のりっぱな日本語にも感激しました」とのべた。
 援協の元会長、酒井清一さん(82、二重国籍)は「オヤジはもちろん、先人はみんな苦労した。102周年を迎えるまで自分が長生きできたのが夢のようだ」と感慨深げに語った。

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