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発展続けるスザノ日伯学園=40万レで給食室と食堂増設=再来年から高等教育視野に

ニッケイ新聞 2010年6月26日付け

 スザノ日伯学園(=CENIBRAS、安楽恵子校長)は40万レアルをかけて給食室と食堂を増設し、20日に落成式を開催した。約150人の学校関係者や生徒、その家族らが出席し、学園の新たな門出を祝った。汎スザノ文化体育農事協会(ACEAS)の森和弘会長、木多喜八郎文協会長、マルセロ・カンジド・スザノ市長らも出席した。

 06年の開校当初は42人しかいなかった生徒も年々増え、5年目を迎える現在は全校生徒360人。母体のACEASが提供する調理場と食堂では納まり切らない状態になっていた。
 今回、やきそば祭り、ビンゴ大会といったイベント等からの収益40万レアルを用いて、教室棟脇の200平方メートルの敷地に新たな給食室と180人収容可能な食堂を建設。2学期の8月から、1日400人分の給食を準備するのに使用される予定だ。
 式典で森会長は、「設備を整え子供達の学校生活をより良いものにできる」と力を込め、「ブラジルと日本両国の文化を融合した教育を施し、教育の質の向上に努めていこう」と呼びかけた。
 式典の中では、同学園の発展に力を尽した6人が表彰された。学園の設立を唱えた東ルイスACEAS理事は創立までの困難を語り、「まず会員が集まり、それから学校ができた。数えきれない人達に支えられてきた」と学園の繁栄を喜んだ。
 カンジド市長は、「同学園はスザノ市の未来のシンボルだ」と称え、「市も日系社会と共に成長していく」と活気付けた。テープカットが行われ、できたばかりの食堂で職員らによる料理が並べられ歓談を交えた昼食会が開かれた。
 今年は新たに90人の生徒が入学し、全校生徒は昨年の316人から360人へ。現在は1~9年生で17クラス設けられている。非日系生徒も徐々に増え、日系人との割合は半々だそうだ。
 中には、他校から移ってくる生徒も少なくない。安楽校長は、「非日系の親御さんから日本文化の教育で優しい子になった、落ち着いた態度をとるようになったと良い評判をいただいています」と笑顔で語る。
 また、そういった父兄からは高等部創立への強い要望もあがっており、再来年の開始を目処に準備が進められている。昨年は教室の増築を行ったが、今後さらに、運動場の設置など設備の充実を図っていくそうだ。

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