ホーム | 日系社会ニュース | 第49回パラナ民族芸能祭=クリチーバ文協今年も熱演=1千人が日本の芸能満喫=龍千多さんに20年の感謝

第49回パラナ民族芸能祭=クリチーバ文協今年も熱演=1千人が日本の芸能満喫=龍千多さんに20年の感謝

ニッケイ新聞 2010年7月15日付け

 パラナ州民族交流協会(AINTEPAR)主催の第49回民族芸能祭が1日から13日にかけてパラナ州クリチーバ市グアイーラ劇場で開かれ、約15の民族コミュニティから出場した。8日午後8時半からの日本の出番ではクリチーバ日伯文化援護協会(山脇ジョルジ会長)により出演者、裏方含め200人が出演。日本舞踊花柳流名取の花柳龍千多さん(聖市在住)が20年間指導を続ける文協舞踊部の踊りをはじめ、日系子弟らのYOSAKOIソーランや和太鼓など、緩急に富んだ公演が2時間にわたり繰り広げられた。多くのブラジル人を中心に1千人以上が来場、熱気あふれる舞台に大きな拍手を送った。

 同文協には100以上の文化活動の教室、同好会があり、大嶋裕一氏が実行委員長を務める委員会が出場団体を選出する。
 当日、出演者らは12時ごろから続々会場入りし、化粧、着付け、リハーサルなどを行い、本番直前まで細かい踊りの確認をし合った。
 「この舞台では見る人の目も肥えてきている」と話す龍千多さん。同文協からの依頼を受け、聖市在住にも関わらず20年前から指導に当り、現在は月に一度同地を訪れ3日間の指導を続ける。
 本番の衣装は着物、カツラ、簪も全て日本で調達した。2千人の収容が可能な大きな舞台。毎年1千人以上が見つめる舞台は龍千多さんにとっても特別な思いがあるようだ。だが大舞台だからこそ「踊ってとても気持いい」とそのプレッシャーにも負けない。
 5回ほど衣装を変え出演する石田雅子さん(58歳、秋田)は10年以上同祭に出場する。「準備は長いが本番はあっという間。皆と一緒に踊るから緊張も少なく、心強い」と近づく本番直前に話した。
 田丸ラウラさんらの司会により、舞踊部総勢20人が出場した「みやこの四季」が華やかな舞台の口火を切った。
 平均年齢80歳を超える民舞愛好会は元々は盆踊りだけを踊っていたが、龍千多さんが来て舞踊を始めた。同会は「日本全国おはやし音頭」「えにし」、得意の盆踊りと舞踊で日頃の成果を発揮した。同会に所属する梅沢つねさん(83歳、福島)は「扇子を使ったりするからその複雑さが頭と体にいいんです」と話す。
 黙りこみじっと出演者を見つめていた会場から声援、口笛が鳴り響いたのは若葉YOSAKOIソーラン、若葉太鼓などのエネルギー溢れる若者の舞台。琉球國祭り太鼓による「三線の花」「かりゆしの夜」などでは60人ほどが壇上にあがり会場に沖縄文化の熱気を伝えた。
 第1部の終了後、山脇会長から龍千多さんへ賞状と、花束が送られた。20年にも及ぶ指導への感謝を込めたものだ。
 同舞踊部で部長を務める林ドラリッセさんは「はじめは恐かったけど、ただ踊るだけじゃない、踊りの世界、日本の作法を教えてくれた」と龍千多さんの功績を称える。
 第2部も「大阪すずめ」「日本橋から」などの舞踊が披露。最後の演目「大和撫子紙吹雪」では出演者総出で盛大なフィナーレを飾った。
 クリチーバ市から100キロほど離れたポンタ・グロッサ市の同地文協からは40人ほどが団体で訪れた。竹内一雄さん(91歳、東京)はその一人。「普段はあまり芸能をみないが、今日来て楽しかった。沖縄太鼓が迫力あってよかった」と満足そうだった。
 本番終了後、会場近くのホテルで行われた祝賀会で山脇会長は、「長年培ったチームワークが発揮された。皆もっと長生きして日本文化を伝えて行きましょう」と称賛、激励した。
 龍千多さんは「20年やってこられたのも一生懸命練習してくれる皆がいたから。皆に感謝します」と述べ、「こうして舞踊ができているのは家族の支え、理解があってこそ、それを忘れずこれからも続けて行きましょう」と生徒の前で話し、深く頭を下げた。

image_print

こちらの記事もどうぞ