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若手日系ネットワークを=日本財団助成で団体設立=事務局長らが5カ国行脚=10月、東京でサミットも

ニッケイ新聞 2010年9月3日付け

 若手日系人の連携を世界に広げよう―。日本財団の助成で設立された『日系ユースネットワーク(NYN)』の広報とブラジル若手日系団体との懇親を目的に、打村明NYN事務局長(29、日系チリ人)と日本財団同プロジェクト担当の梅村岳大さん(28、東京)が先月26日に来伯した。3日間の滞在で日系団体を表敬訪問、若手リーダーと会合した。打村事務局長は、「薄くなりつつある日系人の連携を強めていきたい」と話している。メキシコ、ペルー、チリ、米国ロサンゼルス各地の日系コロニアにも呼びかける。

 NYNは、近年インターネットの普及で若い日系人の交流があることを受け、ネットワークの〃核〃となる組織づくりを目的に今年、設立された。
 日本財団の3カ年事業で年間3600万円が助成され、情報提供・活動支援・相互交流に関する事業を行なうことを目的としている。
 打村事務局長は、『知る』『動く』『挑戦する』を3本柱に活動したいと熱を込める。
 『知る』では、WEBポータルサイトによる情報を相互発信、交流を図り、各国の日系社会のニュースを共有する。
 『動く』では、10月16、7の両日、東京で「第1回NYNサミット」を開き、今回訪問した5カ国から各2人を招待、日本側の支援者との関係も構築する場にしたいという。第2回サミットは、メキシコのカンクンで開催予定。
 『挑戦する』では、同じ分野での人材とのアイデア交換の場を設け、プロジェクトを募集。300万円を上限とする融資を行い、日系社会活性化の後押しとする考えだ。
 打村氏は、「活動の中でデカセギ問題や文化の維持継承など共通する問題意識を持てるのでは」と期待、梅村氏は「日本財団としても、NYNが自立できるようバックアップしていきたい」と話していた。
 詳細は打村(akira@nikkeyyouth.com)まで。
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 日本財団は、1962年に財団法人として発足した「日本船舶振興会」の通称。
 競艇収益の2・6%(約300億円)を助成事業に充当し、09年度の海外支援には71年から通算すると1400億円に上る。09年度は53億円を支援している。
 日系関係には74年から、「医療、社会福祉」「文化・歴史を維持・保存」「日系若手リーダー育成」の3分野に対し、70年代から33億円を助成。04年からの奨学制度では、中南米から53人が訪日研修、ブラジル人はその3割にあたる。
 ロス日系博物館は同助成事業で「ディスカバーニッケイ」を設立、WEBサイトで文化・歴史を継承する活動を自主採算で行っている。

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