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神戸=外国人の日本語支援=無料講座が1周年

ニッケイ新聞 2010年9月28日付け

 【神戸新聞】日本語が不自由な外国人を支援するため、神戸市中央区山本通の「海外移住と文化の交流センター」で毎週日曜に開かれている「ふれあい日本語講座」が、今秋で1周年を迎える。受講料は無料で、市民との交流行事も好評だが、現在は10人にとどまっている受け入れ枠の拡大が今後の課題だ。
 同センターに事務局を置くNPO法人「グローバルプロジェクト推進機構」(JEARN)が文化庁の委託を受けて昨年11月に始めた。
 日系ブラジル人やイラン、スリランカなど生徒の国籍は多様。講師は有償ボランティアで、同じセンター内に事務局があるNPO法人「実用日本語教育推進協会」が養成に協力。生徒とマンツーマンで、生活に必要な読み書きや会話を丁寧に教えている。
 好評なのは月1回の交流行事。高校茶道部や一般の書道サークルなどに講師を依頼して日本文化を学んでいる。9月は明石市の団体の指導で紙芝居に挑戦。漢字にはルビを振り、交代で昔話を読み上げた。
 日系ブラジル人2世で11年前に来日した白川ケイコさん(64)=東灘区=は「紙芝居は何十年ぶり。懐かしいですね」とにっこり。夫のセイイチさん(60)とともに「住所を漢字で書けるようになりたい。休まず通っています」と話していた。
 JEARNの福井良子さんは「受講生の多くは工場で働き、日本語の読み書きを学ぶ機会がなかった人たち。もっと多くの人が通えるよう予算や人手の確保策を考えたい」と抱負を語った。(直江純)

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