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出版=『短歌でつづった自分史』=梅崎嘉明氏が著作まとめ

ニッケイ新聞 2010年9月29日付け

 短歌誌『椰子樹』の編集に携わる梅崎嘉明さん(87、奈良)がこのほど、短歌を通して自身の半生を振り返った『短歌でつづった自分史』を上梓した。
 短歌歴は65年。今までに上梓した3冊の歌集『四十の生』(63年)『軌跡』(77年)『草穂』(95年)から作品を選び、作った当時の時代背景、状況を解説として加えることで、生活の様子や心情が手に取るように分かる一冊となっている。
 家族、旅行など様々な題材をもとに、96年以降の作品も多数盛り込んだ。「良かれ悪しかれ、これが私の半生の足跡」(あとがき)とあるように、率直な〃一移民史〃だ。
 梅崎さんは32年、9歳で家族8人と来伯、ノロエステ線カフェランジャでカフェ、棉作りに従事した。
 終戦頃から短歌を始め、戦後は短歌、文芸界で創作、会創設などにも関わり活発に活動した。小説、随筆作品も多い。
 近年では、「フェリシモ文章教室」で講師を務めるなど、後進の指導にもあたっている。
 主な受賞に「椰子樹短歌賞」(59年)「第8回パウリスタ文学賞」(64年)「コロニア文芸賞」(04年)。
 「色々なことを書いたんで、〃コロニアの裏面史〃という人もいるんですよ」と梅崎さんは笑いながら、手にした同書を見遣り、目を細めた。
 関心のある方、本に関する詳細は梅崎さん(11・5571・5043/5058・0178)まで。

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