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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年10月2日付け

 石原慎太郎都知事は、小説家でもあり、物事への批判は厳しく、口から出る言の葉には時として激しいものが多い。沖縄地検の鈴木亨次席検事が、中国漁船の船長釈放を決めたときに「政府はこのざまだ」と激怒したが、この怒りは菅内閣への痛烈な非難でもある。石原知事は、尖閣諸島については詳しく、先には鳩山前首相に鋭い質問を浴びせ、友愛宰相の無知蒙昧さを暴いたりもしている▼ことは領土の問題であり、沖縄の検事などがとやかく物を言うことではあるまい。仙谷官房長官は「地検が決定したもの」とそっけないし、外務省や法務省なども「私も知らない」と責任の押し付けばかりが目立つ。これは―推察の域を出ないけれども、どうも官邸筋の政治的な配慮が濃い。中国からの圧力に屈して―差し当たり衝突事件を解決したいの狙いがあったと見てもいいのではないか▼ご承知の通り、尖閣諸島は明治18年(1885)に調査し無人島であるのを確認し諸外国も「領有権を主張していない」ので明治28年(1895)から沖縄県に編入された日本領土なのである、戦前にはカツオ節工場もあり200人ほどの漁民らが暮らしていた。中国共産党の機関紙「人民日報」も1953年には「尖閣諸島は沖縄の一部」という記事を掲載していたそうだ▼こうした経緯を中国が知らない筈がない。中国が尖閣諸島の領土権を言い始めたのはごく最近であり、1992年になると領海法を制定し「自国領土」と主張しているのに過ぎない。海底に埋蔵しているとされる油田などが狙いだろうが、こんな中国のごり押しと無謀を許してはなるまい。(遯)

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