ホーム | 日系社会ニュース | クリチーバ日伯寺=ブラジルの食材で精進料理=大江田さん「健康にいい」

クリチーバ日伯寺=ブラジルの食材で精進料理=大江田さん「健康にいい」

ニッケイ新聞 2010年10月5日付け

 パラナ州クリチーバで、お坊さんによるお料理教室が密かな人気を呼んでいる。浄土宗クリチーバ日伯寺の大江田晃義(30、宮城県)開教使が教える料理は、お坊さんならではの精進料理だ。
 精進料理とは肉魚をさけ、旬野菜、豆類、穀物を中心とし仏門の僧が食した質素な料理。
 日本の寺院では訪問者に修行の一端の体験として精進料理を提供するところも多く、専門の料理店もあり、生活習慣病予防にも注目を集めている。
 去年3月始まった同教室では「精進料理を研究しながら、ブラジルにある食材の味を大切に、残さずそのすべてを使う体に優しい料理を作る」「誰もが先生、誰もが生徒、みんなで考え、協力しながら料理を作っていく」として、月1回、毎回違った料理を作っている。
 「普段は食事を案外いい加減に食べている。1つ1つの料理を意識して食べる事で、改めて人参の甘さに気づいたりする」とその魅力を語る大江田さん。
 教室開始当初から通う3児の母、外山律子さん(神奈川県)はほぼ皆勤賞の出席率。「健康にもいい。子どもを連れてきて、皆さんとお喋りしながら楽しく料理しています」と話す。教室には世代を問わず毎回10人前後が集まり、和やかな雰囲気という。
 献立は1汁3菜を基本としており、11日に行われた教室では、たけのこを素材に、味噌、みりん、酒を絡めていためた「ひこずり」、だし用に使ったこんぶと高野豆腐をいっしょに煮た「たけのこの煮しめ」などが作られた。
 教室は第2土曜日、午後2時~午後5時ごろまで毎月開催。参加費5レアル。予約は不要。詳細、問い合わせは日伯寺(41・3014・6268)まで。

image_print