ホーム | 日系社会ニュース | 日本の夏祭りを満喫=好評の宮城県人会ツアー

日本の夏祭りを満喫=好評の宮城県人会ツアー

ニッケイ新聞 2010年11月10日付け

 宮城県人会(中沢宏一会長)企画の親睦旅行「東北・北海道祭り巡りツアー」が7月29~8月11日にかけて実施され、会員を問わず17人が参加した。青森のねぶた祭り、秋田の竿灯祭り、山形の花笠祭り、岩手の盛岡さんさ踊り、仙台の七夕祭りなどを巡り、帰国後の9月25日、報告会が同県人会で行われた。
 「日本の夏祭り巡り」をテーマに企画された同ツアー。中沢会長、参加者らが出席した報告会では、佐藤栄記さんが「皆元気いっぱい。あの暑さの中、見るだけ見て、食べるだけ食べた」と満足そうに話し、「今後ともテーマを持った旅行を続けることを願う」と述べた。
 宮城県では宮城ブラジル友好協会(京極昭会長)、県海外移住家族会(曽根冨士雄会長)らが同地での受け入れ、観光の案内を行った。
 参加者最高齢の栗木那智男さん(88、山形)は「やはり花笠は素晴らしかった」と、母県での祭りに感銘を受けたよう。山形県人会では、20年ほど前まで活発であった花笠踊りの活動は現在行われていないという。同会の顧問を務める栗木さんは、「なんとか再興できれば」と願うが、指導者がおらず、現状ではその見込みは薄いという。
 「4キロ痩せました」と笑う石川やすさん(72、2世)。「旅行中お腹いっぱい食べたが、カロリーの少ない日本食が良かったのかも。北海道の大きなホタテは忘れられません」と、目を細めた。
 企画側中沢会長は同ツアーの目的を、祭りを通じ日本の歴史、特に庶民の文化、その力を体験することと説明する。報告会では「何より無事で、皆さんが楽しんでくれた事が嬉しい」と安堵の表情を浮かべ、「観光にもテーマがあると一味違うものになる。何度も日本を訪れた事のある人も『こんな有意義だったことは無かった』と言ってくれた」と、笑みを浮かべた。同会は婦人部を中心に、今後も継続して観光旅行を企画していくという。

image_print