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風呂敷の知恵、ブラジルに=山田悦子専門家が講演=エコ、お洒落の視点からも

ニッケイ新聞 2010年11月13日付け

 実用以外にエコ、ファッションとしての風呂敷文化を伝えるため、リオ、マリンガでワークショップなどを実施してきた山田悦子さんが9日夜、国際交流基金サンパウロ文化センターで講演した。
 日本初の風呂敷専門店『京都和文化研究所 むす美』(東京・神宮前、www.kyoto-musubi.com)のアートディレクターでもある山田さんの軽妙な語りとデモンストレーションに約100人が触れた。
 冒頭、「包」むは、母親が大事な子供を守ることを表し、「結」ぶは、「むすこ」「むすめ」からも分かるように二つのもの(夫婦)が一緒になり、生まれてくるという漢字の由来を説明。
 「風呂敷に日本人は精神的な意味を込めてきた。先人の知恵、心、もったいないという感覚を、現在に即した形で世界に発信していきたい」と話し、日本の若者の使い方や普及活動の様子などを写真で紹介。
 「買い物でビニール袋を使う必要もなくなり、環境にもやさしい」とエコバックとしての利用も強調した。
 続いて、実際に様々なデザインの風呂敷を使って、本、お盆、ワイン、プレゼントの包み方を指導、「今年のクリスマスで是非試してほしい」と笑いを誘った。
 風呂敷持参の参加者もおり、様々な使い方の質問も寄せられ、関心の高さを伺わせた。
 「一つあればとても便利。カバンのなかに入れておいてください」と講演を締めくくり、会場からは大きな拍手が送られた。
 30代の日本人女性は、「風呂敷の存在を改めて見直した。ブラジルで買えるところはあるのかな」と話していた。
 アートとしての風呂敷を紹介する展示会が今月30日まで、間部ジョー画廊(Av. Brigadeiro Luis Antonio, 4225)で開催中。約100点の作品が楽しめる。午前10時~午後6時。土曜日は午後3時まで。日曜休館。入場無料。

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