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実行委員会の最終提言

特集 2010年新年号

ニッケイ新聞 2011年1月1日付け

 次世代に対する日本語教育である継承日本語教育は、もはやその必要性や良さを話し合う段階ではなく、今私たちがしなければいけないのは、それを続けていくためにどうすればいいのか、何ができるのかを考え実際に動くことです。それを行うには色々な面で非常に大変です。先頭に立って引っ張っていくのはとても大変です。でも誰かがやらなければいけないのです。このまま何もせず待っているだけでは、近い将来継承日本語教育はごく一部を除いて滅びてしまうでしょう。
 このシンポジウム開催のために、ブラジル日本語センターの理事でありシンポジウム実行委員長の諸川さんやセンター事務局長の丹羽さん、松原先生など色んな方が、直接日本語学校にかかわっていないにも関わらず、継承日本語教育の発展のために情熱を燃やし、半年以上にわたってこの準備のためにものすごく頑張ってくれました。
 また邦字紙も継承日本語教育の普及のために色々な企画を行ってくれています。こうやって周りの人達が損得抜きに継承日本語教育のために行えることを考えてくれ、その実行のためにとても頑張ってくれているのです。じゃあ、今度は私達の番じゃないですか。日本語学校に直接関わっている、一番近くにいる教師・父兄・文協が頑張る番じゃないですか。私たちの学校なのです。
 私達の目的はこのシンポジウムを行うことではありません。ブラジルにおける継承日本語教育を盛り上げていくことです。今回のこのシンポジウムがそのきっかけになってほしいと強く願います。今回が第一歩となり今後につながっていくのか、それともこれで終わってしまうのか、このシンポジウムの成否は今後の皆さんの行動にかかっています。
 このシンポジウムで聞いたこと、そして築いた他の町との繋がりを生かして、皆さん、いっしょにこれから頑張りましょう。未来の子供たちのために。10年後、20年後の子供達にもこの素晴らしい継承日本語教育を受けられるように。

(実行委員会=諸川有朋、渡辺久洋、モラレス松原礼子、立花アルマンド、松本留美子、植西晶子、藤野琴子、塚越浩美)

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