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聖南西=林間学校で体験共有=「この仲間は一生の宝」

ニッケイ新聞 2011年1月13日付け

 聖南西教育研究会(渡辺久洋会長)が主催する第17回聖南西林間学校が12月13〜15日に、ピエダーデ文化体育協会会館で行われた。当日は同地区の日本語学校の生徒(12〜15歳)が参加。7校から78人が集まり、16歳のアジュダンテ・教師を含めた120人が賑やかに3日間を過ごした。生徒が一番楽しみにしている行事で、経験者も初参加者も心待ちにし、生徒の顔からは喜びが溢れていた。

 開校式で弘末武文協会長は、「私も昔色んな町の人達と相撲の合宿をし、今でもその時の仲間とは友達でいるし、とてもよい思い出になっています。皆さんもこの3日間でたくさんの思い出を作ってください」と期待の言葉を述べた。
 次いで渡辺・教育研究会会長から「いつもの学校とは違いますが林間〃学校〃ですので、ただ楽しいだけでなく色んなことを学んでください」と励ましの言葉があった。
 進行は日本語で行われ、大事なところにポ語通訳をいれたが、多くの生徒達は日本語の指示の段階で反応しており、日本語力の高さがうかがえた。また食事作りは班が交代で担当し、皿洗いなどの片付けも班が担当し生徒達自身で行った。
 様々なプログラムが組まれており、スポーツ活動ではタグ取り大会や変則綱引き大会などが行われ班が一体となり汗を流した。
 1日目と2日目には剣道の練習も行われた。ピエダーデ日本語学校に派遣されているJICA青年ボランティアの松本茜さんは剣道の有段者。今年ソロカバ市のウセンス日本文化センターに派遣された同青年ボランティアの久保咲子さんもそうで、ピエダーデ日本語学校の教師で地元の剣道場に通っている中村博さんと3人で指導した。
 子供たちに剣道を伝えたいという想いで来伯した松本さんは「日本文化の一つ剣道に触れて知ってもらえてよかった」と安堵した表情を見せた。
 3日目の思い出の品作りでは竹を使った掛け軸風の写真入れを作った。のこぎりやナイフを使って竹を短くしたり割ったりし、普段あまりすることのない作業を協力し合いながら行った。その後、各自持ってきたTシャツやしおりに友達や先生からのメッセージやサインを書いてもらう光景が会場中で見られた。
 使用した場所を全員で掃除してから閉校式になり、同シニアボランティアの飯田美穂子さんの挨拶があり、豊田一夫聖南西文化体育連盟教育部長から「この3日間でできた友達や思い出は皆さんの一生の宝です」と挨拶があった。
 それからアジュダンテ・教師全員からも一言ずつコメントがあり、とても楽しかったという声が多く聞かれた。急きょ決まった進行の代役を務め上げたピラール・ド・スール日本語学校派遣の同青年ボランティア源ゆかりさんは感極まり、「私にはこれが最後の林間ですが、皆はまだ来ることができます。だからこれからもできるだけ長く日本語学校に来て」と涙を流しながら伝えた。
 最後に全員が輪となって今年のテーマ曲「ひまわり」を歌い、楽しい林間学校の幕を閉じた。

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