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茶道裏千家=初釜に250人が来場=今年も日本文化普及誓う

ニッケイ新聞 2011年1月21日付け

 茶道裏千家ブラジルセンター(林宗慶代表)は16日、サンパウロ市イジエノーポリス区のブッフェ・バイウカ・マラニョンで今年も盛大に初釜と新年会を開催し、約250人の招待客が出席した。大部一秋在聖日本国総領事夫妻や各日系団体代表らが一堂に会し、ブラジルでのさらなる日本文化普及を祈願した。
 千玄室大宗匠の筆による「和気満高堂(わきこうどうにみつ)」と書かれた掛軸が掛けられた茶の間で、同門らが集まった招待客を前にお点前を披露、干支の兎をかたどった京都の和菓子が振舞われた。来場者一同が注目した林代表のお点前には、大部総領事夫妻、高橋祐亮副領事らが参加。林代表は「ようこそお越しくださいました」と歓迎し、華麗な作法でもてなした。
 その後、新年会に移行し、林代表は「掛軸の意味にあるように、今年も和気あいあいと和やかな会が開催できた。今年もよろしくお願いします」とあいさつ。一昨年、サンパウロ市に着任した1週間後に同センターの初釜に出席したという大部総領事は、「来伯直後に出席したイベントで、日本文化の精髄が受け継がれていたことに感銘を受けた事を覚えている」と振り返り、「センター関係者に敬意を表したい」と称賛した。
 木多喜八郎文協会長も「日本の伝統文化をブラジルに伝える皆さんの活動に敬意を払う」とし、「お茶の心、茶の湯の本来の姿がさらに広まれば」と祈願した。
 同センター副代表のエリソン・トンプソン・デ・リマ氏は、茶道テキストのポ語翻訳版出版や7月のフェスティバル・ド・ジャポン、9月に在ブラジル日本国大使館が開催した日本文化週間への参加など、昨年の主な活動を紹介。「今年もその普及に努めたい」と語った。
 援協の森口イナシオ会長が同センターの発展を祝って乾杯の音頭を取り、歓談を交えた食事会が始まった。裏千家で20年間茶道をたしなんで来たというJICAシニアボランティアの半澤典子さん(66、栃木)も参加、2番目にお点前を披露し、「良い記念になりました」と笑顔で話していた。

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