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赤字の危機迫るリーガ・アリアンサ=パラナ総会=日本祭り、リッファで資金調達=「支部に迷惑かけず運営を」

ニッケイ新聞 2011年1月27日付け

 パラナ日伯文化連合会(リーガ・アリアンサ、嶋田巧会長、傘下76支部)は23日午前、今年の定期総会をロンドリーナ市の同会館で開催した。現在9割近い支部が会費の延滞状態であり、年間収入の7割にあたる金額の赤字が出ていることが報告された。後日の再調査により赤字ではないことが分かったが、来年以降は赤字に転落する見通しだという。総会では資金調達のため、リッファの発行ほか、3月に初の日本文化祭りを同市で開催することが発表された。

 嶋田会長、西森ルイス評議委員議長(次期連邦下議)、相談役の加藤テルオ州議、原ルイ氏など役員ほか、山口登在クリチーバ総領事や州各地の代表者100人以上が集まった。
 会冒頭の先没者へ黙祷後、嶋田会長、西森評議委員議長が、日頃の関係者の献身的な活動に感謝の思いを述べた。
 順調に始まったと思われた総会だったが、業務を委託する会計事務所が2010年度の会計報告を行った際、本部収入金額の誤りが出席者からの指摘で発覚した。監査役らのサインも入ったものでありながら、一目瞭然な計算ミスが指摘され、「何も見ていない」と、その処理の仕方に苦言を呈する声も聞かれた。
 結果、同年度の会計は承認されず、2月27日に臨時総会を開催する事となった。
 また今年は同会の会計担当者から、9割の支部団体が会費を延滞している状態で、年間収入の70パーセントに当たる金額の赤字が出ていることが報告された。
 一方、出席者からは「団体の規模に対する会費が高すぎる。一家族当たり10レアル払う支部と1レアルしか払わない支部があるのはおかしい」と、会費の見直しを訴える声も上がった。
 後日ニッケイ新聞の取材に対し折笠リカルド同会副会長は、再調査の結果、会の預金を繰り入れることで収支のプラスマイナスはゼロになると説明。しかし、現状が続けば来年以降は赤字になる見通しといい、厳しい財政状況に変わりはないようだ。
 こうした現状に対し、同会では今年リッファ(協力券)と日本祭りの開催を計画。総会で概要を発表した。
 リッファ発行の前例は無いが、赤字の埋め合わせのため、1枚10レアル程度で発行する可能性が高いという。支部で販売を行い、売り上げは本部と支部で折半。各支部は収入の10パーセントを寄付に充てる。
 第1回目となる「日本文化祭り」は3月11から13日にかけ、ロンドリーナ市の中川トミ広場で開催する予定だ。
 折笠副会長は、リッファや日本祭りについて「支部にこれ以上迷惑を掛けず、会費を取ること無く会を運営できることを目指して行きたい」と述べて出席者に協力を求めた。
 昼食を挟み、日本語センターや各部の事業報告が行われ閉会した。
 進行を行った池田甚太郎第一副会長は閉会後、「会計のミスは二度と無いようにしたい。今度の臨時総会でしっかりと承認できるようにする」と述べた。
 なお、昨年11月、同会主催によってパラナ州の歌手を集めて初開催した紅白歌合戦は好評であり、本年度も第2回を開催する意向だという。

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