ホーム | 日系社会ニュース | 文協会長選挙=木多氏と小川氏一騎打ちか=評議員制した者が会長へ=立候補受付けすでに開始=「第3のシャッパも?」

文協会長選挙=木多氏と小川氏一騎打ちか=評議員制した者が会長へ=立候補受付けすでに開始=「第3のシャッパも?」

ニッケイ新聞 2011年2月10日付け

 ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)の会長選挙が実質的に始まった。会員が会長を直接選挙するのではなく、評議員が会長を含めた理事を選出する制度なので、特定の会長候補の親派をどれだけ評議員に送り込めるかが最大の争点といえる。つまり評議員選挙で多数派を占めることが会長席への切符だ。木多会長ら体制派にくわえ、常に話題になる対抗馬の小川彰夫さんも着々と準備をすすめているといわれており、3つめのシャッパもありえるとの話まで聞こえてきた。

 前回09年の選挙では理事会シャッパを選ぶ評議員会で、木多会長を推す体制派「統合と進歩」が54票だったのに対し、小川彰夫氏を会長候補とする「チェンジ文協」が46票まで追い上げた。あと4人が対抗シャッパに与すれば、政権転覆というきわどい瀬戸際まで迫った激戦だった。
 選挙管理委員会の山内淳委員長は8日午後、文協内で記者会見を行い、評議員候補の受付けが始まったことを告げ、選挙制度についての質疑応答をした。
 まず3月26日(土)に開催される定期総会で正評議員50人と同補欠25人が会員からの選挙で選ばれる。2年前から任期(4年)を務める50人と、今回選ばれる50人が集まって4月30日に定期評議員会を開催し、その100人にくわえて終身評議員(元会長や元評議員長)7人が理事会シャッパ(10人)を投票で選ぶ。
 つまり、3月の定期総会でどれだけ多くの親派評議員を送り込めるかで大勢が決まる。この評議員選挙への立候補が7日に始まり24日まで受付けられている。
 評議員立候補の条件は(1)3年以上会員で5人以上の会員の推薦があること、(2)理事としてもしくは監査役として2年以上務めたもの、(3)現在評議員であるか過去に務めた経験があるもの、(4)3年以上の会員かつ日系社会に多大な貢献のある社会的な名声の高い団体の推薦があるもの。
 3月の定期総会では50人以内の候補者に印をつけて選ぶ投票が行われるが、当日に来られない場合は郵便投票、事前に文協まで届ける不在者投票もある。ここで投票できるのは、昨年9月までに入会しており、昨年末分までの会費を完納している会員に限る。3月11日まで遅滞分の会費支払いは可能だ。
 4月の評議員会では理事会シャッパが投票で選ばれるが、このシャッパは4月4〜15日までに受付される。元旦の新年祝賀会で本紙記者の質問に対し早々に立候補を表明した木多会長の体制派シャッパ、小川彰夫さんの対抗派シャッパがまず間違いないところ。理事会シャッパに入るには評議員である必要はなく、1年以上会員であることが条件だ。
 しかし、この記者会見で大原毅評議員会長は「3つめのシャッパもありえる」と漏らした。関係者によれば「戦後移民を中心にした勢力では」との憶測があるという。
 山内委員長は「200人でも、多くの人に評議員に立候補して欲しい」と呼びかけた。前回は134人が立候補した。コロニアで知名度の高い候補ほど有利といわれる。

image_print