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ニッケイ新聞 2011年2月10日付け

 名著と名高い『バストス二十五年史』(水野昌之著、1955年)によれば、ウニオン第二区に入植した脇山大佐が、同地の鯉養殖の先駆けだとある。1933年に導入、脇山大佐は当時養鯉の研究家としても知られ、同書には「当時としては珍重なものであった。郷愁をそそるものであった。区の宝のように愛玩されていた」とある。その後37〜38年頃に移住地全体に伝播したという。全バストスでもっとも日本語教育が盛んな区で、インテリの雰囲気の漂う「文化村」だったとか。そんな雰囲気だからこそ脇山一郎のようなモダンな青年が育ったに違いない。
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 大相撲の元小結がブラジルで力士養成?—。元小結の孝之富士で1992年にプロレスに転向した安田忠夫さん(47)が今月はじめに引退した。引退後はブラジルへ渡って子供たちに相撲を指導する予定だそうだ。モンゴル勢にも対抗できるとみる人材を発掘し、将来的に育成した力士を日本の相撲部屋に送り込むのが夢という。ただ、八百長問題に揺れる相撲界の現状に気が気でない様子、と共同通信は伝えている。現在ビザの申請中。気になる滞在先は明らかにしていないが、「サンパウロからバスで24時間」の場所だそう。

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