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文協会長選挙=「〝みんなの輪〟を広げる」=会長になったら何する?=小川氏抱負を熱く語る=地方とネットを重視

ニッケイ新聞 2011年2月23日付け

 ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)の会長選挙に立候補を表明している小川彰夫さん(68、二世)が17日、「会長になったら何をするか」を説明しに来社し、「みんなの輪を広げる」などと熱く語った。3月に行われる定期総会で選ばれる50人の評議員と、2年前に選ばれた50人に加えて永年評議員7人しか、4月の会長選挙では投票ができない。そのため、文協会長選挙を制する鍵ともいえる評議員選挙への立候補の締め切りがこの24日に迫っており、小川さん(携帯電話=11・9631・9521)は「より多くの方の立候補をお願いします」と呼びかけ、希望者には手続きの相談にのると述べた。

 「『会長になったら何をやりたいか』をしっかり説明しろと、最近みなさんによく言われるので説明にきました」と小川さん。
 第1に「会員重視」を掲げる。例えば「会員が会長を選べない現在の選挙制度はおかしい。以前のように直接選挙に戻す」という。「体制側からすれば、対抗勢力が出ずらい現在の制度の方が居心地は良いはず。でも僕はあえて直接選挙に戻し、対抗勢力のプレッシャーに耐え、軌道修正していく方を選ぶ」。
 その延長線から、「300もの法人会員を大事にしないとダメ。僕は任期中に全ての法人会員を訪れ、感謝の気持ちを伝えたい」とも。「1日3社回っても100日かかりますよ」と記者が覚悟を問うと「いいですよ」と即答した。
 第2に「地方文協との関係の緊密化」を挙げる。「地方文協で会員になっている団体を任期中に残らず回りたい」と考えている。さらに「地方の文協会員が出聖した時に気軽に使ってもらえる場所、会議室などを用意したい」とも。
 第3に「インターネットを活用して地方や若者との日系ネットワークを広げたい」という。小川さんが運営するニッケイウェブ(nikkeyweb.com.br)サイトには、すでに50以上の日系団体が加入し、UPKのカラオケ大会、モジ文協の秋祭り、レジストロの灯ろう流しなどの関連記事を日々更新している。
 今後は「FacebookやYoutubeなどを活用して日系ネットワークの要にしたい」という。ポ語で日本文化を説明する無料辞書サイト(www.nikkeypedia.org.br)には1828件もの記事が登録されており、日本文化に興味をもった人に対して理解を深める一助になっている。
 第4に「大講堂や小講堂にクーラーを付け、控え室、椅子を良くしたい」。みなに使ってもらえる施設を整備することで「みんなの役に立つ文協」を目指す。
 第5に「国士舘の赤字を解消する」。壮大な〃夢のプロジェクト〃ではなく、「現在までの運営の延長で充分に赤字をまかなえる存在になれるはず」と考えている。具体的には地元との関係を密接化させることで体育館などの施設の利用を増やし賃貸収入を増加させ、行事に力を入れることで利益を増やすことが可能だと考えている。
 「前回はチェンジ文協が標語だったが、今回は〃みんなの輪〃かな。お互いに手伝い合える関係、その要となる文協にしたい」と語った。

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