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米ロサンゼルス=イスラム差別を非難=米日系が収容経験踏まえ

ニッケイ新聞 2011年3月4日付け

 【ロサンゼルス共同】米ロサンゼルスの全米日系人博物館で2月19日、「米中枢同時テロから10年」をテーマにした集会が開かれた。同博物館など日系団体が主催。第2次大戦中に約12万人が強制収容されるなどの差別を経験した日系人として、同時テロ後に広がったイスラム教徒への不当な差別を非難するのが狙い。
 テロ発生時の運輸長官だったノーマン・ミネタ氏が基調講演。旧日本軍による真珠湾攻撃など、国が激しい攻撃を受けた後に「政府や社会が対応を誤ればひどいことが起きる。私たちは(そのことを)知っている」と述べ、自分が少年時代に収容された経験を紹介。テロリストとイスラム教徒を決して同一視しないよう冷静な対応を呼び掛けた。
 集会には日系人グループのほか、在米イスラム教徒団体の幹部や高校生ら計約300人が参加。収容された人々のために黙とうし「歴史に学ぶことで、あらゆる文化や民族、宗教が尊重される社会が実現する」などとする「決議」を採択した。
 ルーズベルト元米大統領は1942年2月19日、日系米国人の強制収容を可能にする大統領令に署名。同博物館などはこの日を「追憶の日」として、毎年イベントを開催している。

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