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東日本大震災=東北3県人会が義捐金受付け=リベルダーデで追悼行事も=17日に初七日法要

ニッケイ新聞 2011年3月15日付け

 東日本大震災で特に大きな被害が報告されている宮城、岩手、福島の各県人会が発起人となり、犠牲者の初七日法要を執り行うことを決めた。各県人会ではさらに、今週から見舞義捐金の受付と、たずね人の消息に関する問い合わせの受付も開始した。
 11日の地震発生以来、各県人会では問い合わせや、伯メディアの取材などが連日続いている。停電、現地の混乱などの影響で各会とも県庁と連絡がとれたのは13日(伯時間)になってからだという。
 県人会でも情報が少ないものの、宮城の中沢宏一県人会長は、「被害に遭った場所は分かるので、心配しないでいいところはそう伝えている」と話す。一方で電話が通じない状態が続いているため、在住の親族、日系人らの消息についての問い合わせが各会に寄せられている。
 こうした状況を受けて3県人会では、会が間に入って母県側に問い合わせを行うことを決定。受付けた問い合わせについて、県人会から県庁や市町村役場に調査を依頼する考えだ。資料を持参の上県人会に申し込んでほしいとしている。
 あわせて3県人会では、見舞義捐金を受付けることも決め、紙上を通じて協力を呼びかけた。各県人会が窓口となって受付け、まとめて被災地へ送るという。14日から各事務局で受付を始めている。
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 在住ブラジル人に関しては、宮城県大衡村の工業地帯に多く住んでいると見られているが、同地域での被害は少ないという。岩手県には以前、金ヶ崎町の関東自動車工場などで約800人のブラジル人が働いていたが、リーマンショック後に帰伯した人も多い。千田曠曉会長は地震発生後に同町の親戚と連絡が取れたというが、現在どのくらいのブラジル人がいるかは分からないという。
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 福島県人会にはブラジル時間の今朝県庁国際課からメールが入った。メールには断水や食料の不足、庁舎に入れず他所で業務にあたっていたことなどの状況が綴られていた。曽我部威事務局長によれば、昨年の研修生2人が先週ブラジルへ戻ったばかり。今年の留学生が5月に訪日する予定だったが、見合わせになったという。
 また宮城県人会でも、大学生のジュリアーノ・ディ・セボ・フェルナンデスさん(20)が「すずめ踊り」など同県の郷土芸能を学ぶため今月から訪日する予定だったが、とりあえずキャンセルして様子を見ることになったそうだ。
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 初七日法要はブラジル仏教連合会の主導により、17日午後6時から宮城県人会館(R.Fagundes,152)で実施する。さらに今月26、27日には、リベルダーデ広場で追悼行事の開催も予定されている。
 26、27日の行事のほか、今後は東北・北海道ブロックで予定されていた民謡のイベント、運動会などの行事を利用して被災地への支援、協力を呼びかけていく考えだという。
 3人は「ささやかではあるが、我々にできることをやっていきたい」と話した。
 たずね人や義捐金の送付方法、口座番号などの詳細は各県人会まで。連絡先=11・3207・2383(岩手)、11・3209・3206(宮城)、11・3208・8499(福島)。

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