ホーム | 日系社会ニュース | 【記者の目】=またも苦戦か、小川彰夫氏

【記者の目】=またも苦戦か、小川彰夫氏

ニッケイ新聞 2011年3月29日付け

 来月30日にある評議員会で会長を選ぶ権利を持つ107評議員が出揃った。これ会長選挙が実質スタートしたことになる。
 会報「文協ニュース」でこれまでの成果をアピール、2期目にやる気を見せる木多喜八郎氏と、三度目の正直を狙う小川彰夫氏の一騎打ちがコロニアの耳目を集めている。
 今回の選挙の焦点は、野党である小川氏がどれだけのシンパを評議員に送り込めるかにあった。最低54票を獲得しなければならないわけだが、邦字紙紙上に公表されたシンパ団体、個人の当選は13に留まった。
 一方、体制側は27と過半数を超えている。
 ここで注目したいのは、レロレロ評議員である。狭いコロニアでできるだけ敵は作りたくないのも心情。10の個人・団体が体制、小川両派に名前を連ねた。実際に挙げてみよう。
 二宮正人、汎ソロカバナ文協、県連、ヤクルト(貞方賢彦)、静岡県人会(杉本教雄)、高木ラウル、オガ・セイジ、石井賢治、イタケーラ日系クラブ(小田セルジオ)、佐々木弘一。
 どうだろうか。全員が小川派だったとしても厳しい状況といえる。
 ただ、体制派に名を連ねながらも、小川氏と個人的付き合いの深い評議員もいることから、この数字は参考までにとどめたい。
 さて、09年選出の50評議員を眺めてみると、明らかに小川派といえるのは約15。逆に体制派は20ほど。7永年評議員も体制側の雰囲気が強いことは否めない。
 選挙前は、小川優勢の下馬評もあったが、前回同様に苦戦を強いられそうだ。
 だが、文協に不満を持つ県人会、地方団体が4割近いことにも注目したい。小川氏のたゆまない地方への協力、行脚を評価する声は多く、一世団体からの評判は肯定的だ。
 ただ一人、地道に〃選挙活動〃を続けてきた積み重ねが奏功するか。
 常に地方との連携というコンセプトを持った小川シャッパ。手堅い陣容で勝利を収めてきた体制シャッパを今回の評議員はどう見るか。
 その提出期限、来月15日を待ちたい。(剛)

image_print