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文協会長選挙=「代表と思える団体にしよう」=小川氏が出馬を正式表明=下本氏が評議員会長に=木多体制を厳しく批判

ニッケイ新聞 2011年4月8日付け

 「コロニアの代表団体と思える文協にしよう」——。『みんなの文協』の小川彰夫氏は7日午後、宮城県人会で記者会見を開き、今月30日の文協評議員会で行なわれる理事会選挙への出馬を正式表明した。文協の運営に関する自らの考えを明らかにしたうえで、現体制の手法を具体的に厳しく批判した。副会長に聖南西連合の山村敏明会長、評議員役員には下本八郎、林アンドレ氏がシャッパに名前を連ねることも明らかに。小川氏は、「多くの評議員が賛同してくれている」と3度目の正直に自信を見せた。

 会見には、『みんなの文協』のメンバーである山村敏明(聖南西文化体育連盟会長)、下本八郎(元サンパウロ州議)、宮原ジョルジ(安部順二下議補佐官)、林アンドレ(愛知県人会元会長)、五十嵐司(老ク連会長)、上村優博(カウカイア文協元会長)、京野吉男(ブラジル日系協会会長)各氏が集まった。
 開口一番、「文協はコロニアを代表しておらず、誰もそれを認めていない。サンパウロ市の人がサンパウロ市だけでやっている」と地方軽視の姿勢を厳しく指摘した。
 先月に発生した東日本大震災に対し、多くの団体が口座を開設し、各々の支援活動を展開している現状に触れ、「窓口を一本化すべきだったし、ブラジル、日本側に支援のメッセージを強くアピールする大きなチャンスを逃した」と指導力のなさとメディア対応の鈍さを露呈したとした。
 続けて、木多体制の2年間の活動を全23ページカラーで紹介したスペシャル版『文協ニュース』を手に取り、「投票用紙は会員に届かないのに、これは数通届いたという会員もいる」と首をひねり、「赤字にも関わらず、どれだけの経費を使ったのか。選挙違反でないというならモラル違反だ」と断じた。
 そのなかで、国士舘センターをエコロジーパークにする現体制の大事業を「夢のプロジェクト」と紹介していることに、「夢でなく〃悪夢〃。毎年8万レの赤字があるのに、経済的な裏づけのない莫大な資金を投入する意味が分からない。できることからやっていくべき」と話す。
 「国士舘はコロニアのためにあるべきで、ホテル誘致などもってのほか。莫大な罰金がかかる可能性もあり、INSS問題と同様の危険性を孕んでいる」とも。
 「全伯を繋ぐとする『文協ネット』が機能していないのは何故?」としながら、自身が運営するニッケイWEB、ニッケイペディアが多くのメディアで紹介され、順調であることも強調した。
 公約に掲げる直接投票に戻す定款改正について、下本、林両氏は、「05年の改正時、間接投票が正しいと思ったが間違っていた。会員が遠ざかり、関心を失うだけ」と投票率が下がっていることも指摘した。
 小川氏は最後に「我々は文協を立て直すために集まった。シャッパのメンバーは団体運営の経験があり、地方を統括したものだ」と連携をコンセプトにしたシャッパであることを強く話した。

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