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名曲間違ったまま歌わないで=島田さん カラオケ界に苦言

ニッケイ新聞 2011年5月10日付け

 全国カラオケ指導協会ブラジル総本部長を務める音楽家の島田正市さん(75)が、ブラジルで長年歌われている「君忘れじのブルース」が20年以上に亘って間違ったまま歌い継がれていると指摘している。
 淡谷のり子が歌う「君忘れじのブルース」は大高ひさを作詞、長津義司作曲で1948年に発表された昭和の名曲。歌詞の中の「うたうおんなのこころはひとつ(1番)/おんなごころはいのちもゆめも(2番)」の「こころは」「いのちも」の部分が譜面と違う音程で歌われているという。
 1952年に島田さんが渡伯した時にはすでにブラジルでも歌われており、間違いがいつから始まったものかは分からない。島田さんは20年前に指摘したが、以後も直されないまま現在に至る。「パラナの上手い人でも間違って歌っている」
 先月、島田さんからレッスンテープの数では日本一の作曲家、山中博氏に問い合わせ、山中氏からも日本で指導している譜面とブラジルでの歌われ方が違うという回答があった。
 「歌い継がれている間に変わったというのは分かるが、ブラジルだからいいというのではなく、常に間違いを認めちゃんとしていくべき」と島田さん。さらに「指導する教師にも責任がある。音楽で食べている以上譜面くらいは覚えないといけない」と強調する。
 特別教授から教授、指導講師など約300人の会員を有する同総本部。今後同問題を指摘していくという島田さんは、「日本を代表するブルース。間違って歌ってほしくない」と話している。

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