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サンミゲル・パ60周年=「皆が一丸になったおかげ」=2百人が訪れ賑やかに=天竜太鼓盛り上げる

ニッケイ新聞 2012年10月26日付け

 サンミゲル・パウリスタ日系文化体育協会(美甘好重会長)の『創立60周年記念式典』が21日に同会館で開かれ、会員ら約200人が訪れた。来賓には今月初旬の市議会選で再選を果たした野村アウレリオサンパウロ市議らが出席し、欠席した安部順二連邦下議から預かった連邦議会からの記念プラッカが文協に贈呈された。式典後には、演芸会も開かれ、賑やかに晴れの日が祝われた。

 前年に創立していた青年会を母体に、サンミゲル、エルメリーノ・マタラーゾ、クルサ、イタイン・パウリスタなど広範囲を対象とした日本人会として1952年に発足した。54年には会館を建設、会員数のピークを迎えた65年頃には1240家族の会員を誇った。現在は約150家族で活動を行っている。
 先没者への黙祷の後、両国歌斉唱に加え、同地区の歌が流された。続いて挨拶に立った美甘会長は「先人の功労のおかげで今があるのは間違いないが、立派に今でも会が成り立っているのはここにいる皆が一丸にまとまって頑張ってきたから」と会員の労をねぎらった。
 「皆さん、よくおいでくださいました!」と元気に挨拶したのは、小渕民雄実行委員長。50周年記念誌の発刊から10年が経ったことに、時が流れる早さを実感すると語るとともに、70周年を見据え、会員のさらなる一致団結の必要性を説いた。
 その後行われた記念表彰では、歴代会長、90歳以上の長寿者、地域の協賛商店の代表者など72人に賞状と記念品が授与された。
 18人の長寿者の代表として壇上に立った右田守幸さん(94、熊本)は、19世紀末に渡伯し、初の和葡・葡和辞書を編纂した大武和三郎が生前に残した言葉「自分はあくまでブラジルに忠誠を誓ふ」を挙げ、「この美しい言葉を決して忘れず、後世にしっかりと伝えることこそ我々一世の役目。この年になるまで生きていられることに感謝しながら、自分の役割を全うしていきたい」と謝辞を述べた。
 式典の後に行われた演芸会では、カラオケや民謡、踊りなど24の演目が賑やかに行われた。中でも、今年7月にあった太鼓の全伯大会で優勝を果たした同文協和太鼓部「天龍」のパフォーマンスは大きく盛り上がり、演技後には観客総立ちでの拍手が沸き起こった。
 父とともに長く文協の活動に携わってきた松本茂毅さん(72、福岡)は「私たち一家にとっても大切な場所。日本文化伝達・普及のためにもまだまだ長く続いて行って欲しい」と感慨深げに話していた。

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