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33年ぶり「現代日本の書展」=MASP=毎日書道会から145作品=児童向けワークショップも=「驚きます」と若松さん

ニッケイ新聞 2008年10月9日付け

 日本人ブラジル移住百周年を記念し、十四日から十一月九日までサンパウロ美術館(MASP)で「現代日本の書代表作家サンパウロ展」が開催される。毎日書道会による同展は一九七一年のリオ展、七五年のサンパウロ展以来三十三年ぶり。海外で最大規模の書道展を開催している同会の作家作品百四十五点が展示される。
 同展は、毎日新聞社、毎日書道会、MASPの共催、在聖日本国総領事館、ブラジル書道振興会、百周年記念協会などの後援、サンパウロ新聞社の協力。
 出品作品のうち三十点は物故者の貴重な作品で、百十五点は現代を代表する書家が今展のために書き下ろしたものだ。中にはブラジルをテーマに書かれた作品二、三点も含み、老ク連機関誌に掲載された和歌を書いた作品もあるという。
 主な出品作家は、文化勲章を受章した金子鴎亭氏(鴎は「區」へんに「鳥」)、文化功労者でサンパウロ・ビエンナーレにも出品しブリュッセル万国博で最高殊勲金星賞を受賞した手島右卿氏、日本藝術院賞を受賞した松井如流氏、勲四等旭日小綬章を受章した上田柔鳩氏、皇后さまが皇太子妃殿下時代に習字の先生を務めた熊谷恒子氏など。
 また「日伯交流年という年にもっとブラジル社会に書道を広げたい」と、今展に合わせ関係者や作家百人が来伯し、サンパウロ州政府教育局日本文化教育プログラム「VIVA JAPAO」の児童たちにワークショップを行う。
 ブラジルの書道界は、七五年のサンパウロ展をきっかけにブラジル書道愛好会ができたことで初めて組織化された。会長の若松孝司さんは昨年新たにブラジル書道振興会を設立し、日伯修好百周年基金から助成金を得るなど奔走して今展開催までこぎつけた。
 案内のために来社した若松会長は「びっくりすると思う」と自信を覗かせ、多くの来場を呼びかけた。なお、若松会長によれば後半は混雑が予想されるので、第一週目の来場が好ましいという。
 入場料十五レアル(学生七レ、十歳以下・六十歳以上無料)。火曜日は無料。開館時間は午前十一時~午後六時(月曜休館)。

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