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初の日系人の司教誕生へ=三世の赤嶺エンジ神父=7月、セー大聖堂で就任式=「日系教徒にも貢献したい」

ニッケイ新聞 2011年5月26日付け

 今月4日、ローマ法王ベネディクト16世が、サンパウロ大司教区が統括する6つの教会管区のうちラッパ教会の補佐司教に日系三世の赤嶺エンジ神父(48、洗礼名ジュリオ)を指名したことがわかった。ブラジルにいる約2万人の司祭のうち、司教になるのは約400人で、同職に日系人が就任するのは初。ニッケイ新聞の電話取材に赤嶺神父は、「カトリック教徒のために奉仕したい」と控えめに語り、7月9日にセー大聖堂である就任式に「多くの日系人教徒に出席して欲しい」と呼びかけている。

 サンパウロ州ガルサ市生まれ。父方の祖父母は沖縄、母方は熊本出身。
 パラナ州カトリック大学(クリチバ)で哲学を専攻後、同市の教育機関「スタジアム・テオロジカム」で神学を学ぶ。
 79年にライーニャ・ダ・パス神学校(パ州コルネリオ・プロコピオ市)で修練し、最初の叙階を翌年に受けた。
 87年後にサンパウロ州で助祭職、翌年にパ州カンべー市で司祭、95年からスタジアム・テオロジカムで教鞭を取った。
 95年にローマのグレゴリアン大学で神学の修士号、05年に同大で組織神学の博士号を取得している。
 前職は、聖パウロ・アポストロ教会管区(パロチーノ会派)の元管区長を務めた。
 赤嶺神父は、「指名の連絡を受けたとき、驚きながらも感激した。大きな責任を伴うので畏怖の念もある。役不足だと思うが、カトリック教徒のため奉仕したく引き受けた」と答えた。
 初めての日系人司教となることについて、「ブラジルには日系人教徒が多い。同じルーツを持つ人々に対し、司教として大いに貢献したい」と意気込みを語った。
 赤嶺神父の司教叙階式(就任式)は7月9日午後3時から、サンパウロ市セー区のカテドラル・メトロポリターナ(セー大聖堂)で開かれる。
 日伯司牧協会の山本伊三男会長(57、二世)によれば、08年の移民100周年を契機に、ブラジルで熱心に活動する日系人神父を評価し直そうという動きがあり、今回の選出に至ったと説明、すでに協会を代表して赤嶺神父に激励の手紙を出したという。
 山本会長は、「協会のメンバーも皆喜び、大変誇りに思っている。今後日系人教徒のためにぜひ頑張って頂きたい」とブラジル初の日系司教の誕生を喜んでいる。

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