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5月31日は世界禁煙デー=平均上回るCOPDによる死者


ブラジル国内ニュース

ニッケイ新聞 2011年6月1日付け

 タバコを吸う人の数は年々減ってきているが、ブラジルの慢性閉塞性肺疾患(COPD)による死亡率はいまだに世界平均を上回っていると、5月31日付エスタード紙が報じている。
 慢性閉塞性肺疾患は代表的な慢性呼吸器疾患の一つで、さまざまな有毒ガスや微粒子の吸入による気管支炎や肺気腫もこれに当てはまる。肺気腫の場合、90%は喫煙がきっかけになっており、肺胞の破壊や気道炎症が起きて息切れが生じ、多くの場合、咳嗽や喀痰も見られる。40歳以上の人口でこの問題を抱えているのは6〜7%。
 国立ガンセンター(Inca)の調査によると、慢性閉塞性肺疾患で亡くなる患者の内、男性の10人中8人、女性の10人中6人がタバコを吸っているという。
 また、同センターは年齢に関係なく、約100万人が喫煙により何らかの慢性呼吸器疾患を抱えていると推測している。
 同センター喫煙規制部のエンリッケ・メイレーレス呼吸器科医によると、国内610市のSUS(統一保健システム)で反喫煙治療が行われており、2009年には約2万6千人がプログラムに参加。サンパウロ州のアルコール、タバコ、麻薬のリファレンスセンターでは、毎年2千人が治療を受けている。
 汎米保健機関(Opas)は、世界保健機関(WHO)が定めた〃世界禁煙デー〃の5月31日に、12・7%からなかなか減らない女性喫煙者減少を目標の一つとしたイベントを開催した。

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