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裏千家が茶道教室開催=TAM客室乗務員向けに=「もてなしの心」教える

ニッケイ新聞 2011年6月8日付け

 茶道裏千家ブラジルセンター(林宗慶代表)は5月19日、ブラジルの航空会社TAMの客室乗務員向けに茶道教室を文協ビル4階「伯栄庵」で催した。航空連合スターアライアンスに加入しているTAMとANA(全日本空輸)による伯日交流事業として同教室は開始した。去年の12月から隔週で行われ、これまでに250人以上が学んでいる。

 生徒24人には緑茶と和菓子がもてなされ、日本文化や世界のお茶の歴史を学んだ。瓶詰めの茶葉が回り、各国のお茶の香りを楽しんでいた。
 日本語の敬語の授業も行われ「何か召し上がりますか」「どうぞおくつろぎ下さい」などと先生に続いて復唱した。
 宗円さんによる茶の湯の実演では、茶をたてる所作を固唾を呑んで見ていた。「もてなされる側も助けることが茶道の基本」との説明に生徒達は頷いていた。
 その後、生徒達も畳に上がり、座り方を教わった。宗円さんが「畳の縁から、目盛り16個目の場所に膝をつけます」というと1つずつ数えて座っていた。
 慣れない正座のせいか、足がしびれて立てなくなる人も続々。足を投げ出す姿もあった。
 抹茶が出されると生徒はぎこちなく器を回し、恐る恐る口にしていた。思わずお茶をすする音が出てしまい、笑いの起きる場面があった。終盤になると背筋を伸ばして座る姿が様になっていた。
 参加した生徒達は「日本は好きだが、茶道は決まりが多く難しい。まずは、今日覚えた日本語を早速使ってみたい」と意欲を見せた。
 講師を務めた宗円さんは「海外で出会う日本語は旅行者をほっとさせる。日本文化の粋である茶道を通してもてなしの心に触れてほしい」と語っていた。

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