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二天=古武道の個人戦大会で=藤田さん7種で総合優勝=「次も必ず勝ちたい」

ニッケイ新聞 2011年6月16日付け

 二天古武道研究所(岸川ジョージ主宰)主催の2011年古武道個人戦大会が、去る5月14日、15日にミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテで開かれ、藤田ヴィットルさん(18歳、3世)が見事、総合優勝を果たした。

 大会には、同研究所の全伯40支部、チリ2支部、アルゼンチン4支部、ウルグアイ1支部から150人が出場し、剣術、居合、杖術、鎖鎌、十手、薙刀の7種目で技を競った。
 藤田さんは14歳から44歳までの成人の部で、7種目の総合優勝を獲得。08年のカンピーナス大会では3人で総合優勝を分け合ったが、今回は独占する形となった。
 藤田さんは総合優勝者として8月にメキシコへ渡る。現地には1週間の滞在予定で、ワークショップを開いたり、同研究所メキシコ支部の開設をサポートする。
 藤田さんはサンパウロ市ビラ・マリアーナ区出身で、9歳で同研究所に入門した。きっかけはアニメ「るろうに剣心」で、剣や刀に興味を持ち始めたという。
 現在は同研究所で、朝夜ともにそれぞれ7時半から9時まで、師範の岸川主宰の元で剣術や古武道の修行に励み、昼間は研究所の雑務やサポートをこなす日々を送る。
 ともに優勝報告に訪れた同研究所の沼間豊治さん(57、1世)は23年前に来伯し、武道だけでなく日本の文化も教えるというスタンスに共感し、入門したという。
 「特に、日本の古来の『剣術』の復元を試み、なおかつ実践しているのはブラジルでここだけ。日本でもやっていないのでは」と沼間さんは語る。
 同研究所では岸川主宰自ら、毎年2回日本を訪れ、剣術の様々な流派を学び、普及に努めているそう。振り付けではなく「本気で相手を仕留める」剣術を、藤田さんも日々実践している。
 次は10月、グアルーリョスで団体戦が開かれる予定で、アルゼンチンから20人の選手が参加するという。「次も必ず勝ちます」と、藤田さんは笑顔で語った。
 同研究所の門下生の90%は非日系人で、5歳からの子供や、女性も多いという。また、イベランジャにも支部が開かれる予定。
 入門の問い合わせは、同研究所ビラ・マリアーナ区の本部(電話11・5539・3587、HPwww.niten.org.br)まで。

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