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ニッケイ新聞 2011年6月21日付け

 今回の受勲者5人のうち3人が邦人叙勲だが、うち2人が帰化人であり、ブラジル国籍だが「邦人」として受勲している。総領事館に問い合わせたところ、「一世の帰化人は邦人にはいる」との回答だった。戦後移民などで会社起業や土地購入のために帰化したが、その後に日本国籍へ復帰したくなり、その要件(日本滞在数年以上など)が厳しくて臍をかむような辛い思いをしているとの声を方々で聞く。彼らは「国籍復帰要件の緩和を」との叫んでいるが、今のところ緩和の見通しはないという。しかし、叙勲においてはブラジル国籍者でも「邦人」と認められている。それなら一歩進めて、ぜひとも海外在住者に限った国籍復帰要件の緩和もお願いしたいところだ。
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 「父の故郷に貢献できて満足」。父親が福島出身のブラジル二世、増子利栄さん(60)が被災地福島郡山市でシュラスコ1トン分を無償、マッサージなどをして1週間過ごした経験を報告した。中日新聞が報じた。報告会は、浜松国際交流協会が外国人も被災地で復興支援に協力している姿を知ってもらおうと同市で開催した。被災地の状況を写真などで伝えながら、「復興には時間がかかる。ボランティアは続けないと」と話し、年末までに再訪する意欲を見せているようだ。二世になると薄れるといわれるがー県人魂ここにあり。

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