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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年7月5日付け

 毛沢東らの同志が、中国共産党を旗揚げしたときには60数人しかいなかったが、今や8千万人の党員を擁する巨大な政党になり、13億超の国民を統治し、世界2位の経済大国にと眞に威勢がいい。あの創党から90年。北京で記念式典が開かれ、胡錦濤主席(党総書記)が「共産党支配」と「政治改革を進める」と語ったが、どうも—民主化路線の選択や思想の自由と人権尊重とは遠い▼陸海軍の増強、経済の驚くべき発展などは、目を見張るばかりであり、政治基盤の強さを物語るものだが、国の繁栄と共に国民の不平・不満が高まっている事実も見逃せない。あのノーベル平和賞を受けた作家の劉暁波氏の拘束や礼儀と慣例を無視した外交攻勢は批判の的になったし、農民らの暴動も年に10万回も起こっているそうだ。このため、公共安全費の予算が7兆8千億円にもなっている▼北京〜上海を結ぶ新幹線や36キロを超える世界一の海上橋の建設と国威を発揚する力は、尊敬に値する。だが、新幹線には、日本の川崎重工業と独はシーメンスの技術によるものであり、中国独自の技術ではなく、日独から批判の声が高まってもいる。中国としては、国が発展していると見せ付けたい気分が強いのだろうが、そんな愚策が通用する時代は、もうとっくに過ぎ去った▼毛沢東の復讐とされる10年に及ぶ文化大革命への目を塞ぎ、これに先立つあの大躍進運動と大飢饉では、党幹部により250万人が収容所へ—4500万人が餓死したのも公にはされていない。と、繁栄と貧困の混在が中国と見るのが正しいのではないか。(遯)

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