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ニッケイ法律相談=その4=回答者 古賀アデマール弁護士

ニッケイ新聞 2011年7月19日付け

 質問=アパートを借りて4年間住んでいます。ペンキを塗り替えるので、共益費とは別に250レアルを払ってくれと大家さんに言われたのですが、法律上、そのような要求は許されるのでしょうか。
 回答=どこのペンキを塗り替えるのかによって変わります。廊下や建物の外壁、入り口の壁などの場合は、借家人が払う義務はありません。これらは家主の財産に当たりますので、家主が賄うものです。
 ただし、家主の同意のもとで、借家人が自分の部屋のペンキを塗り替えるような場合には、借家人に支払う義務があります。
    ◎
 質問=借家に住んでいます。部屋の壁から水が漏れてきたので大家さんに修理を頼んだのですが、取り合ってくれません。大家さんに修理する義務があるのではないのでしょうか。
 回答=水が漏れた原因によって、誰が修理代を負担するかが変わります。建物が老朽化したために漏れたのであれば、当然家主が負担すべきです。水道は定期的にメンテナンスする必要があり、家主にその義務があります。
 ただし、例えば借家人が、壁に穴を開けるなどの損害を加えたために水が漏れたのなら、それは借家人が修理代を払わなければなりません。
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 質問=会社を解雇されて3年になりますが、未だ退職金を全額受け取っていません。金額は数万レアルに上ります。労働裁判を起こして受け取りたいのですが、それは果たして可能でしょうか。
 回答=結論から言いますと、例外はありますが原則として不可能です。退職金を含め、退職するさいに受け取る権利のある金額は、基本的に退職後2年で受け取れる権利が消滅します。2年以内に労働裁判を起こすと、過去5年分の権利を申請することができます。法律には時効がありますので注意が必要です。
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 質問=70歳で、20年間同じ家に住んでいます。突然、家主が30日以内に退去してくれと言ってきました。私が住んでいる家に子供夫婦を住まわせたいとのことです。今まで家賃は一日も滞らせることなく支払っています。法律上、このような暴挙は許されるのでしょうか。
 回答=もし、期限内の「借家契約書」(contrato de locacao)を書面で取り交わしていれば、期限が切れるまで家主は退去を命じることは出来ません。ただし、契約書があっても期限が切れていた場合には、借家人は30日以内に退去しなくてはなりません。
 また、例えば突然家賃を2倍にする、支払えないなら出て行けと言われたような場合も同様です。契約書を交わしていれば、家主は期限が切れるまでは契約書で取り決めた家賃で貸与しなければなりません。
 「借家契約書」には、家主と借家人が守るべき義務と権利が明記されているはずですので、両者ともにそれに従う必要があります。ただし、その内容が違法であれば法的に無効になりますので、従う必要はありません。
 ただし、借家契約書を書面で取り交わさず口約束だけで住んでいた場合は、最低5年間住み続ける権利が、借家法で認められています。
 また、補足ですが借家人が自主的に出て行きたい場合には、契約書を交わしていても、契約書で取り決めた罰金を払えば出ることができます。

質問は日本語でもポ語でも可。質問の送り先はEメール(ademarkoga@gmail.com)、FAX(11・3208・0733)、手紙(「ニッケイ法律相談」係、Rua Galvao Bueno, 470, 1o. andar, Liberdade, Sao Paulo, SP, CEP 01506-000)まで。

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