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居合道=最年少8歳! 1級を獲得=非日系アンドレ君が快挙

ニッケイ新聞 2011年8月13日付け

 「練習は楽しかった」と飄々と語る非日系のアンドレ君(8歳)は、試験に向け新調したという刀を誇らしげに袋から出し、型を披露した。
 先月中旬にブラジル剣道連盟主催の全伯剣道選手権で行なわれた昇級試験で、アンドレ・トビアス・メンデス君が見事居合道1級に合格した。
 当地の居合道人口約100人のうち、同連盟が認定する一級保持者は約15人。アンドレ君は最年少の合格者となる。
 居合道は7級から始まり、1級は有段の入口。アンドレ君の通う葉隠館(佐賀県人会剣道部)の館長で、指導を行なった岸川吉朗教士は、「刀を振る角度や、対戦相手を想像しながら動いているかという精神的要素も厳しくチェックされる」と話す。
 物心付く前から刀遊びが好きだった。アクリマソン公園で2人の青年が剣道の練習するのを見て夢中になり、「自分もやりたい」と思ったのはわずか2歳。
 5歳で葉隠館に入館し剣道を始めた。やがて刀を使う居合い道にも興味を惹かれて、どちらも練習するようになった。
 子どもの実践自体が少ない居合道。「8歳の子どもに1級を受けさせるなんて無茶だ」「前例がない」との声もあったが、岸川教士はアンドレ君の意気込みを認め、2級までの昇級と、1級合格の実力を養うため1年半かけて特訓した。
 父のアントニオさんは、「合格と分かった瞬間、息子は飛び上がって喜んだ。私も信じられなかった」と嬉しそうに話した。
 ブラジル剣道連盟の児島修徳会長も、「珍しい快挙に連盟を代表しておめでとうを言いたい」と祝福した。
 次の目標である初段には、13歳以上という年齢制限がある。「これからも続けて世界大会にも出場したい」と意気軒昂なアンドレ君、今後5年間は更なる修養の期間となりそうだ。

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