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靖国英霊奉祭会=開拓先亡者、戦没者を追悼=コロニア行事で初めて!?=陸軍大将が慰霊祭に出席

ニッケイ新聞 2011年8月16日付け

 ブラジル靖国英霊奉祭会(浜口イネス会長)は7日、サンパウロ市内の従軍帰還兵会館で『第3回慰霊祭』を執り行った。多くの日系人が訪れたほか、アレシャンドレ・アデマール陸軍大将らブラジル軍人や米国退役軍人など合わせて約100人が参列した。浜口会長は挨拶で、「再び平和な世界を取り戻せるよう英霊に祈りを捧げ、皆と助けあっていきたい」と決意を新たにした。

 一分間の黙祷が捧げられた後、上妻博彦宮司が祭主を務め、開拓先亡者と靖国神社に祀られた英霊にむけて二つの祝詞を奏上。羽藤ジョージサンパウロ州議らが来賓として玉串を奉奠した。
 浜口会長は、靖国神社の京極高晴宮司から受け取ったメッセージを読み上げ、「日本国を護るため命を捧げられた靖国神社に鎮まります英霊、日本国から見知らぬ地ブラジルへ移住なさり、命をかけて今日の私共の平安な生活の基礎を築いて下さった開拓移住者に感謝いたします」と祭文を読み上げた。
 来場者全員で直会(御神酒)を頂いた後、「海ゆかば」を斉唱し、第1部は終了した。
 熱心に祈りを捧げていた大志万松柏学園理事の川村真倫子さん(82、二世)は奉祭会の前身である靖国講の頃からの参拝者。「これからは国と国ではなく、人類全体として考えないと。先人を祈るという形を子供達にも伝えていきたい」と思いを語った。
 第2部では作本登美子さん(79、二世)が「九段の桜」を独唱、「折々かえれ母の夢路に」の部分では嗚咽をこらえていた。また、靖国神社の歌も合唱された。
 アデマール陸軍大将は挨拶で、「戦争はいつも政治から始まる。だが実際に戦うのは自国をただ思う兵士達だ。敵味方に分かれても『自国を守りたい』という思いは共感する。今なら友人になれる」と述べると会場からは拍手が上がった。
 京野吉男陸軍予備役大佐は、「現役大将が日系社会の催しに参加するのは初めてでは。戦没者を共に祈ることは意義深い」と感慨を込めて語った。
 その後放映された第二次大戦のDVDでは、特攻隊として海に散っていった零戦と共に、特攻隊員が母に宛てて書いた手紙が読まれた。トマス・デービッド元米国空軍軍曹は涙を流し、「圧倒的な国力の差があった中、日本兵は本当に命を懸けて戦った。敬意を表します」と述べた。
 河邑傑さん(68、三重)は今回が初めての参拝。「ブラジルの軍人、ブラジル人として戦った日系人、靖国で眠る日本人。この三者が合祀されるのはブラジルならでは。これからも続いてほしい」と語った。

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