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水産省の高級官僚に就任=三世の佐羽内ルイスさん=「日系人であることが誇り」

ニッケイ新聞 2011年8月20日付け

 水産業の興隆に力を入れ、国民の魚消費量も上昇を始めたブラジル。08年からわずか1年間で25%の成長を果たした前進を支える最前線には、日系人の佐羽内ルイス・アルベルト・デ・メンドンサさん(45、三世)がいる。03年から4年間、水産省の前身である水産特別局に所属し、パラナー州など3地域で監督を行い功績が認められた。09年の水産省への昇格を影で支え、今も同省で戦略および制度関係部長として戦略の考案や推進に注力している。

 佐羽内さんは自らが省幹部入りしたことについて、「ルーラ、ジウマ両政権とも多くの日系人を採用した。ブラジル社会に貢献し尊敬される日系人であること誇りだ」と語る。
 日系人としてのルーツは北海道移民だった祖父母に遡る。しかし思い出には痛ましい出来事も含まれる。祖父のオサムは彼が生まれる約20年前、ビリグイで勝ち負け抗争に巻き込まれて殺された。その後親族は口をつぐみ、互いに離れて暮らしたという。
 祖母との一度きりの出会いは4歳の冬。「折紙や日本語の歌を教えてくれた。祖父が亡くなって以来親族が初めて集った日でもあり、今でも鮮明に覚えている」。
 祖母はすぐ他界し、厳格だが愛情深かった二世の父コウケに教育された。幼少期を過ごしたサンパウロ州ミラカトゥ市のコロニアでも、柔道を通して日本の厳しい規律を身に付けた。
 その後神学を専攻して牧師となり、軍政から民政移管への大変革期、誕生して間もない労働党を支持し運動に参加した。サンタカタリーナ州では党の指導者を務めるまでになり、指導力や強い使命感を買われ、今回省幹部入りする運びとなった。
 「私も、社会や経済が大きく発展しつつある今の時代を協力して築き、その幕開けを目の当たりにしてきた世代の一人です」と、誇りと喜びを持って語る。
 今は水産省を通してブラジルの成長に貢献する充実した日々を送る。「人と協力し、見通しを持ち、困難に直面しても諦めず立ち向かう姿勢など、日本文化の中で培った精神力がいつも仕事を支えてくれる」。そんな毎日の中で、自分を強く日系人と意識する。
 「これからは経験と知識をもとに勉学を再開するつもり。更に社会に貢献し、格差社会を是正していきたい」と語る佐波内さん、今後の更なる活躍に期待できそうだ。

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