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神奈川大の研究者4人が来伯=コロニアでの研究の糸口探る=8日、文協で講演会

ニッケイ新聞 2011年9月6日付け

 神奈川大学日本常民文化研究所の佐野賢治所長(60、静岡)、同研究所員で同大工学部建築学科の津田良樹助教(63、香川)、橘川俊忠同大法学部教授(66、神奈川)、泉水英計同大経営学部准教授(46、千葉)ら4人の研究者が2日来伯し、サンパウロ総合大学(USP)の森幸一教授とともに本紙を訪れた。
 USPと学術協定を結ぶ同大学。教員間の交流のほか、USP日本文化研究所からは、同大日本常民文化研究所に学生を派遣するなどの交流が行われている。
 今回4人は、ブラジルでの日本研究の間口を広げるべく、森教授らの研究グループとの共同調査の方向性を探ることを目的に招待された。
 一行は帰国する9日までの間、移民史料館、ジアデーマの沖縄文化センター、アパレシーダなどを訪れる予定。
 これまでに2度の来伯経験があり、USPの客員教授も務めた橘川氏以外は、全員が初来伯。
 佐野所長は、「沖縄出身の移民がコロニアで使用していた民具に関する調査を行いたい。どの程度整理されているか、現状を見たい」と話した。
 また、泉水氏は沖縄の風習や習慣を、建築史が専門の津田氏はコロニアにある神社などを対象とし、調査の可能性を探るという。
 森教授は、「大学間で学術協定を結んでも、なかなか具体的な話が進まないのが実情。神奈川大学は協力的。生きた交流を作れるようにしたい」と意気込む。
 4人と、8月初旬から滞伯中の安室知同大学教授が講演する公開セミナー「ひと・もの・暮らし〜常民のみた日本〜」が8日午後7時半から、ブラジル日本文化福祉協会会議室(Rua Sao Joaquim, 381)で開催される。全て日本語で、入場は無料。
 文協、USP日本文化研究所、サンパウロ人文科学研究所が共催。
 公演テーマは、「日本常民文化研究所とは」(佐野賢治)、「東日本大震災と現代日本社会」(橘川俊忠)、「海外の日本神社建築について」(津田良樹)、「餅と日本人」(安室知)、「南島の祭祀組織」(泉水英計)。
 問い合わせは文協(11・3207・1755)まで。

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