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【ブラジル修養団連合会】ブラジル修養団の歴史

ニッケイ新聞 2011年9月10日付け

 文部科学省所管の社会教育団体、財団法人「修養団」(SYD)の唯一の海外支部がブラジル。本部は、東京府師範学校(現東京学芸大学)で美化活動を始めた蓮沼門三氏が中心となり、学生や教師らと共に1906年に創立された。
 修養の三主義である「瞑想・偉人崇拝・流汗」を実践し、互いに親しみ努力する「愛と汗」を信条に幸せな社会を築くことを目標とする。
 門三氏の弟信一氏を始め、本部の会員だった移民が30年代、聖、パラナ州各地で活動を始めた。52年に門三氏が来伯、同2州を中心に120ヵ所で講演、講習会を行い約1万3千人が参加し、活動が活性化した。
 70年代、中高齢の会員が子供に向けて講話を始め、活動の中心が大人から7歳〜16歳の子供へと変遷して行った。さらに信一氏の妻清江さんが歌、折紙、工作など多様な活動を取り入れ、71年に法人認可された。
 その後マリンガ、モジ、スザノ、アサイ、ロンドリーナ、マウア・ダ・セーラ各市を中心に、文協などの協力を得て35レアルと安い費用で講習会の実施に力を入れ始めた。参加者は50人程度から約150人へと年々増えていった。
 10人程度のグループに1人のリーダーを設け、掃除など仕事も当番制で各自に責任を負わせる。グループ精神、青年リーダーの育成、青少年の人格形成に取り組む。繰り返し参加し青年リーダーへと成長した層が現在の枢要を担う。
 また77年から毎年青年を日本に派遣しリーダーを養成する研修制度を開始、これまで約90人が参加した。80年代からは日本から毎年講師を招き、蓮沼総務と並び講習会の責任者も務めるほか、大人に向けた講演会も行なう。
 現在ブラジルで本部から正式に認められた講師は2人。今回は40周年を記念し、宮原ジョージ、マルコ・アウレリオ・ビダウ、八ヶ婦マリオ、草野正男さんの4人が講師に昇格した。
    ◎
 門三氏の著書『天分に生きる』のポルトガル語版が昨年10月に発売され、1冊20レアルで販売中。購入希望者は蓮沼総務(11・3813.7976)まで。
 なお、同連合会の歴史や活動を綴った「愛汗精神ブラジル修養団40年」は、今年度末までに完成予定。

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