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サウーデ文協=『AGITA SAUDE』=地域交流、10年目迎え=約6千人が笑顔で過ごす

ニッケイ新聞 2011年9月27日付け

 サウーデ文化体育協会(桂川富夫会長、約350会員)は、地域住民の親睦と健康増進を目指した祭り『第10回AGITA SAUDE』を18日、ジャルジン・ダ・サウーデ地区のフラビオ・シャビエール・デ・トレド広場で開催した。気持ち良く晴れた青空の下、非日系を中心とした地域住民ら約6千人が訪れた。昨年と比べ1千人ほどを上回る来場者で、広場は終日賑わいを見せていた。

 柔道、ゲートボール、ラジオ体操、テニス、卓球、カラオケ、踊り、生け花、コーラス、日本語学校など多彩なスポーツや文化活動を行う同文協。
 『AGITA SAUDE』は02年、同文協35周年を記念し初めて開催されて以来、毎年行なわれ、サンパウロ市、サウーデ・ロータリークラブ、同地区の商店主団体ALOJASA(Associacao de Lojistas do Jardim da Saude)、フェイラ出店団体ARTPLANSAとの共催。
 午前8時半からバンドのショーで幕を開け、10時からはラジオ体操が行われた。
 正午頃からの開会式では、このイベントの発案者で第一回目の実行委員長を務めた木下ジョルジ元文協会長(73、二世)が「地域の人に文協の活動を示すこと、あらゆる団体と交流することを目的に始めた」と経緯を振り返った。
 氏によれば、市が会場設備などを無償で提供。ボランティア参加者は200人に及ぶ。
 「それまで文協の存在自体が知られていなかったが、今では地域との融合が実現している。毎年皆が楽しみにしてくれるイベントになった」と笑顔を見せる。
 1万平方メートル以上の同広場の緑地で、約百を数えるバラッカに趣向を凝らした手工芸品が並んだ。食のコーナーでは、婦人部などが腕を振るった焼きそばや餃子など日本食を売るバンカに行列ができ、その他シュラスコ、お菓子など各種食べ物に舌鼓を打つ人々の姿がみられた。
 広場の一角に設けられた日本文化を紹介するコーナーでは書道、折り紙、風呂敷などの実演やワークショップ、子供向けの遊び場も設けられ、家族連れなどの来場者を楽しませていた。
 午後3時からはミス・コンテスト、ジョー平田さんらによるショーで夕刻まで盛り上がった。
 婦人会の皆さんによる手作りの衣料を販売していた西中昌子さん(77、福井)は、「良く売れています」と笑顔を見せながらも、「裁縫をする人手が減ってきているので、こういう活動が難しくなっている」などと話していた。
 同文協でそろばんを教える植田登志子さん(70、大阪)は、写真や教材などを展示。子供を持つ来場者らに「そろばんは頭の回転が速くなる。人格形成にも役立つ」と熱心に話していた。

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