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琉球民謡保存会=30代の教師二人が誕生=座嘉比さん「世代間の架け橋に」=當間さん「次世代への継承に力」

ニッケイ新聞 2011年10月1日付け

 琉球民謡保存会沖縄本部が認定する民謡の教師免許を座嘉比シモーネさん(32、二世)と當間ファビオ健児さん(31、三世)が取得した。沖縄県人会本部で25日にあった『第5回民謡の祭典』で授与式があり、二人の指導者である親川世松師範(90、うるま市)から免許状が授与され、記念品、花束が贈呈された。

 民謡を始めて20年以上になるシモーネさんは、「とても嬉しい。免許をもらった責任は大きい。応援してくれた両親や親戚、仲間、コンクールでできた友人に感謝したい」と流暢な日本語で挨拶した。
 03年、沖縄県立芸術大学で古典音楽を学んだ。民謡は10歳で始め、父の座嘉比昇同支部長とともにマウアーの親川師範に入門した。
 「免許を取ったと言っても、まだ生徒の気持ち。30代の教師は初めてだと思うので、先輩と子供たちの架け橋になれれば」と笑顔をみせた。
 8歳で民謡を始めた當間さんは、「音楽はいつも人生の一部。幼少時から民謡に親しみ、今の自分がある。素晴らしい伝統芸能を守っていきたい」と挨拶で話した。
 日本語の歌詞はローマ字で書き移し、意味を覚えていったという。
 「とても満足。小さい頃は難しかったが、父も習っていたので常に励まされながらやってきた」と振り返り、「教える側に立った今、次は次世代に伝えていきたい」と意気込みを見せた。
 二人を指導し、本部に推薦した親川師範は、「二世以降の教師免許保有者は数人しかいないのでは。さらに時間はかかるが、次は師範免許を取得してもらいたい」と若い教師の誕生とこれからに期待を寄せた。

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