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民主社会党結成=安部連邦下議が説明会=憲法改正を目指し

ニッケイ新聞 2011年10月5日付け

 元民主党(DEM)のジルベルト・カサビサンパウロ市長が憲法改正を目的に設立した民主社会党(PSD)が、先月27日、高等選挙裁判所(TSE)により正式に認可された。それを受け同月30日、新党に所属する安部順二連邦下議が日系メディアを対象に、同事務所で党の設立目的、今後の活動予定について説明会を行った。
 党員数は説明会が行なわれた時点で49人だったが、10日以内には55人に達し、議員数では28ある党の中で3番目となる見込みだ。
 安部下議は、「88年の新憲法施行以来、国が市に割り当てる地方交付金は2分の1になったが、教育や衛生状況の改善など、市が負う責任は以前のまま」と市の財政難を語る。
 こうした予算減の一方ブラジルの税金は約35%と高く、更に人件費の高さも相まって、当地で生産される商品は質は劣るが高価となっている。「ブラジルはグローバル化を迎えたが、このままでは輸出も不可能、他国との競争ができない」と早急な憲法改正の必要性を強調した。
 また年金制度においても、元連邦政府公務員の年金受給者約90万人には年間480億レアルが支払われるの対し、民間の受給者280万人には僅か520億レと不釣合いな状況が続いている。
 更に今後は年金構造を支える労働者よりも受給者層の増加も見込まれており、同党は年金制度の改革も活動指針の一つに組み込んでいる。
 そのため2014年の選挙では、国民投票で議員を選出し憲法改正委員会を設立するとしている。同委員会で2年間の協議を行い、憲法改正に臨む方針だ。
 また今月から、国民の意識を高め党の方針への理解を仰ぐため、全伯各地でセミナーが行なわれる。
 安部下議は、「国民は度重なる汚職や果たされない公約の数々に、政治家に対する信頼も興味も失っている。我々の意図を理解してもらい、国民の中から憲法改正を求める動きを起こしていきたい」と話している。

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