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大耳小耳

ニッケイ新聞 2011年11月17日付け

 上野アントニオ氏の四十九日法要で勤行した小野里勇さん(69、神奈川)が上野氏と出会ったのは73年、車で自宅へ帰る途中だった。警官に止められ「この日本人を乗せていってくれないか。速度超過で車を没収したんだ」と突き出されたのが当人だった。「議員なのにどうしてー」と上野氏に尋ねると、その会話を聞いた別の警官が慌てて謝り、車を戻そうとした。すると上野氏は「法律の前には議員も市民も平等」と断ったという。「その正直さを見て、ずっとお付き合いしたいと思った」と小野里さん。
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 先日知人の紹介で北欧料理を食べに行くと、建物に「北欧協会」(Associacao Beneficiente Escandinava Nordlyset)とあった。聞くと、同協会は百年以上前に設立され、当初からレストランも兼ねてきたという。北欧料理を頂きながらボーイやレジの女性に何系かと尋ねると「イタリア」「ドイツ」との返事。差し出されたデザートの包みには「GEISHA」とあった。「昔から協力し合っている」と言う彼らの大らかさが何ともブラジルらしい。

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