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大塚弥生さん 佳作入選=日本の絵手紙コンテストで

ニッケイ新聞 2011年12月6日付け

 サンパウロで絵手紙教室を開く大塚弥生さん(67、山口)の作品が、今年4月に広島県で行われたコンテスト『第15回筆の里ありがとうのちょっと大きな絵手紙大賞』で応募総数1万847点の中から佳作に選ばれた。
 作品テーマは「ありがとう」。大塚さんが家族で満州にいた頃、母が米を炊いていた釜と、戦後に父が購入して窮するたびに質に入れたという古時計への思いを絵手紙に描き、両親への感謝の気持ちを表現した。
 「この二つは思い入れのあるものだったのでいっそう嬉しい」と受賞の喜びを語る。
 06年に来伯した絵手紙画家の講習会に参加したことがきっかけで絵手紙を始め、翌07年からは大阪、神奈川にある絵手紙教室と手紙のやり取りを行っていた。
 しかし、08年に原因不明の細菌に侵され左足を切断。「絶望して、送られてきた絵手紙を読む気力も無かった」と振り返る。
 半年後、リハビリセンターで沢山の障害者の姿を目の当たりにし「私も頑張らなくては」と、山積みの絵手紙を読み始めた。「涙が止まらなかった。勇気付けられ、送ってくれた人の真心に応えようと思った」とリハビリを続け、今では支えを使って一人で歩けるようになった。
 「今度は自分が勇気付ける番」と6月には被災地へと絵手紙10枚を送ったという。
 「ブラジルでは絵手紙の魅力がまだ知られていない」と話す大塚さんは、「下手でいい、下手がいい」をモットーに力行会婦人部で毎月第一日曜(午前9時〜11時)に教室を開いている。
 教室の詳細は福島(11・9217・0250)まで。

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