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半減する勢いの検挙人員=減少した在日伯人犯罪=11年の警察庁統計で=車上狙いなど依然多く

ニッケイ新聞 2012年1月14日付け

 08年の金融危機以降、ブラジル国籍者が約9万人も減少したが、警察庁が昨年発表した2011年上半期の「来日外国人犯罪の検挙状況」によれば犯罪件数も大幅に減少していることが分かった。検挙人員に関しては上半期の頻度が下半期も継続すれば、最悪だった04年の半分まで減少すると推測される。ただし、車上狙いや薬物事犯などが多い伯人犯罪の特徴は続いており、伯国の日系社会にとっては手ばなしには喜べない状況といえる。

 検挙人員を国籍別に見ると最多は中国で1918人。ベトナム、韓国、フィリピンと続き、5位がブラジルの296人(6・1%)となる。上半期の犯罪発生の頻度が下半期も続けば、ここ10年で最も検挙人員最が多かった04年(1116人)に比べ、半分まで減少するとみられる。
 外国人の検挙総件数は9222件で、これを国籍別に見ると1位は中国の4307件で47%を占める。ブラジル人は次いで2位(11022件)で11・9%を占める。前年の14・2%に比べ構成比は下がっているが、薬物事犯(ドラックの売り買いや常習者)や自動車盗、車上荒らしでの検挙件数は、依然、外国籍の中で最多だ。
 このようなブラジル人犯罪の特徴は、検挙人員に比べて件数が多い点だ。容疑者1人当たりの犯罪件数が日本全体では1・525件のなのに対し、ブラジル人の場合は4・66件と3倍に上る。これは、一人の容疑者が複数の犯罪に関わっている、または検挙までに時間がかかって犯罪が繰返されていたことがうかがえる。
 自動車盗犯罪のうち、大半ともいえる88%がブラジル人による犯行で、車上狙いは61・5%と非常に高い割合を示している。また、薬物事犯に占めるブラジル人の割合は17・1%と、来日外国人の中でいまだに最悪状態であり、伯国の日系社会側としては心配されるところだ。
 ただし、同上半期の日本全体の人口における10万人あたりの刑法犯の検挙人員と、在日ブラジル人人口のそれを比較すると114人、97人となり、ブラジル人の検挙率の方が少ない。
 なお、外国人犯罪全体の刑法犯の検挙件数のピークは05年の3万3037件で、金融危機以前からすでに減少傾向にあった。10年が最も少なく、11年上半期における外国人犯罪の検挙件数の総数は6949件で、前年同期から827件増加している。
 ここ数年来、日本側では定住化傾向の高い在日ブラジル人が残る傾向があり、それに加え、行政や警察、民間が力を合わせて外国人との共生事業を進め、同子弟教育に力をいれてきたことが功奏してきたといえるかもしれない。

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