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ミナスで進む交番システム=地道な活動で認知度アップ=「住民にも喜ばれている」

ニッケイ新聞 2012年2月11日付け

 【ミナス発】JICA(国際協力機構)、軍警察、国家保安局などの連携による『交通システムに基づく地域警察活動普及プロジェクト』がミナス・ジェライス州でも進められている。
 第1弾はJICAとサンパウロ州軍警がサンパウロのみで05〜08年に実施。大サンパウロ市圏を中心に普及し、08年に始まった第2弾には全伯12州が参加している。
 3〜5日に州都ベロ・オリゾンテで行なわれた日本祭りの初日には、州内の同プロジェクトに関するセミナーが開かれた。
 ブースを出展したJICAブラジル事務所の木村信幸氏(41、二世)によれば、サンパウロ以外では麻、南麻州などでプロジェクトが進んでおり、リオ州でも警察官が日本で研修を行なっているという。
 ミナス州内には既にサンパウロで研修を受けた警察官もおり、現在40の移動交番が機能している。
 また、州都ベロ・オリゾンテ市ウルカ地区にある「パンプーリャ文化センター」では、既にモデル交番があり、14〜20人の警察官が常駐して24時間体制で勤務にあたる。ウジミナス製鉄所の支援で、近々建物が改修される予定だ。
 日本祭りでは、映像を流したり、写真や移動交番の車、バイク、日本の交番の模型などを展示。警察官数人が自ら来場者に説明し、訪れた人は興味深そうに耳を傾けていた。
 同州のプロジェクトコーディネーター、リカルド・ゴメス中尉(50)によれば、同州ではプロジェクトが一昨年に発足。2010年10月に警察官と一般市民向けの最初のセミナーを開き、少しずつ認知度を上げてきた。
 ゴメス中尉は「治安も改善し、住民に喜んでもらえている」と成果を語り、「交番そのものが、社会問題を解決する一つの手段だと思う」と話していた。
 木村氏は「これまでの警察へのイメージを変え、住民との信頼関係を築くことが重要。少しずつミナス州全体に普及させていければ」と語った。

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