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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年2月24日付け

 数年ぶりに商議所の部会長シンポに参加して、いつもどおり充実した報告だと感心した。と同時に「原発の安全性」的議論というか、最悪のケースにあえて触れない議論の雰囲気も感じた。今のブラジル経済にどんなリスクがあり、どう対処するかが企業の関心事だと思っていたが、そんな報告はなかった▼予想される最悪の事態を並べ、この場合にはどんな対処が有効であるとか、こんな予防策が機能したとかの話があってもよかった。かつてはコンサルタント部会あたりの経験豊富なツワモノがもっと突っ込んだ分析や経験談を披瀝していたような気がするが、その点が少々期待はずれだった▼「ブラジル経済は基本的に堅調」「インフレは安定」「バブルではない」「金利は年末に向けて9・5%を目指す」との見方に終始してて良いのか、との疑問が湧く▼第一に欧州危機が深刻化した場合、ブラジル経済にどんな悪影響を与えやすいのか。国民の借金がかなりの高率になってきており、国内消費を劇的に増やすのは難しい。国民が実収入以上に消費する状態になっている中、どう成長率を上げるのか▼金融当局にすれば、経済成長のアクセルを踏みつづけるためには基本金利をもっと下げたい。でも最低賃金を上げたので、市中の資金量が増えてインフレ圧力が高まる可能性がある。通常ならインフレ傾向が高まれば金利を上げるが、それがやりづらい。当局は難しい舵取りを迫られている▼万が一インフレ圧力が高まると同時に欧州危機が深刻化したら、どうなるのか。最悪のケースを公に想定し、対策を練る。それが〝フクシマ〟の教訓から学んだことだ。(深)

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