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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年1月6日付け

 先日、本紙俳壇の星野瞳さんに話を伺っていて思いついたが、日本語学校で俳句を教えたらどうだろうか。戦前の子供移民には「俳句のおかげで日本語を覚えた」という体験を語る人が実に多い。現在でも同じことが言えるのではないか▼まず日本語センターや有志が主催して教師が作句のコツを習得し、次に子供に広める。作品を習字やペン習字という風に展開させても面白い。作文を書かせるよりも意外にとっつき易いかもしれない。日本語レベルに応じた内容を詠めばよいし、弊紙に発表の場を用意することもできる。さらに日本の俳句大会に応募するのも可能だ▼星野さんによればかつて全伯に100以上の句会が存在し、俳句人口は2千人以上を数えた。60年代にパ紙が主催した全伯俳句大会では300人もの参加者が集まったことがあるとか。「あの頃は各植民地、各町に句会があった。僕だけで10なんぼの句会を起こした」というから凄いことだ。もちろんそこから短歌、さらに小説などに進んだ人も多くいた▼現在はせいぜい40句会ぐらいしかなく、俳句人口も600人ぐらいだという。寂しいことだ。2年ほど前に細川周平・国際日本文化研究センター教授が来伯した時に、「いくらエスタードやフォーリャの発行部数、頁数が多くても文芸欄は見当たらない。邦字紙のそれは極初期から存在した。日本移民の文化の高さを示している」と語っていた▼日語学校は全伯に約350校、学習者は2万人前後、教師も800人近くいる。学校ごとに句会ができれば、あっという間に百を超える。当地の子弟ならではの感性を反映した句が発表されれば興味深い。(深)

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